6046.jpg
夫が派遣社員と不倫関係、妻の叫び「せめて会社から出て行って」…実現は可能?
2019年01月07日 09時44分

夫と職場不倫をした派遣社員を遠ざけてほしいーー。こんな女性からの相談が弁護士ドットコムに寄せられた。女性は、慰謝料を受け取る代わりに、派遣先の変更や引っ越しを要求したいそうだ。

女性によると、不倫相手は夫の直属で、不倫相手が夫を誘って、関係をもったという。「夫とは、生活のために折り合いを付けるしかない」と離婚する考えはなく、不倫相手に対して、「生活圏内から出ていってほしい」と願っている。

妻が会社に対して、社内不倫を理由に、派遣契約を打ち切らせることは可能なのか。鈴木謙吾弁護士に聞いた。

夫と職場不倫をした派遣社員を遠ざけてほしいーー。こんな女性からの相談が弁護士ドットコムに寄せられた。女性は、慰謝料を受け取る代わりに、派遣先の変更や引っ越しを要求したいそうだ。

女性によると、不倫相手は夫の直属で、不倫相手が夫を誘って、関係をもったという。「夫とは、生活のために折り合いを付けるしかない」と離婚する考えはなく、不倫相手に対して、「生活圏内から出ていってほしい」と願っている。

妻が会社に対して、社内不倫を理由に、派遣契約を打ち切らせることは可能なのか。鈴木謙吾弁護士に聞いた。

●契約を打ち切らせることは難しい

「まず実際の事実関係がどのように証拠に基づいて裁判所で認定されるかによって結論は異なります。しかし、法的には金銭請求が原則ですので、妻が要求している内容を実現することは難しいと言わざるを得ないでしょう。

任意に不倫相手が生活圏内から出て行けば別ですが、法律的に強制力をもって権利行使することは極めて難しいでしょう」

それはなぜなのか。

「派遣契約はあくまで派遣先企業と派遣元企業との契約であり、労働契約は派遣社員と派遣元企業の契約です。第三者である妻がその契約を強制的に打ち切らせることはできないでしょう」

妻の要望を受けた会社が動いて、契約の打ち切りになることはないのか。

「事実関係の詳細にもよりますが、不倫相手が極めて悪質な対応であった等、会社の風紀や経営に影響を及ぼさない限り、裁判所の傾向からすれば契約を打ち切ることは難しいでしょう」

もし、派遣社員ではなく、直接雇用の正社員であっても、結論は変わらないのか。

「不倫相手が正社員として直接雇用されていた場合だったとしても、一般論としては解雇が認められるには相当高いハードルをクリアする必要があります。

会社としては事実関係の精査が極めて重要になりますので、当事者からの聴き取り以外にも第三者の証言や客観証拠を丁寧に調査する必要はあると言えます」

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る