6092.jpg
妊娠中、不倫がバレた女性「お腹の子は、夫の子です。離婚したくありません」
2019年03月24日 09時45分

妊娠中の女性から「私の不倫が原因で、夫から離婚を要求されています。なんとか、離婚を拒否できませんか」と、弁護士ドットコムに相談が寄せられました。

相談者によれば、妊娠初期に不倫が夫にバレてしまったそうです。検査をした結果、胎児の父は夫だと証明されました。しかし夫は不倫を知ってから家を出て行ってしまい、生活費も家賃も支払っていません。

女性は「夫と一緒に、子育てをしたい」と考えています。夫の意思が固ければ、調停、裁判でも離婚は認められてしまうのでしょうか。別居期間が何年程度になれば、離婚は認められるのでしょうか。小田紗織弁護士に聞きました。

妊娠中の女性から「私の不倫が原因で、夫から離婚を要求されています。なんとか、離婚を拒否できませんか」と、弁護士ドットコムに相談が寄せられました。

相談者によれば、妊娠初期に不倫が夫にバレてしまったそうです。検査をした結果、胎児の父は夫だと証明されました。しかし夫は不倫を知ってから家を出て行ってしまい、生活費も家賃も支払っていません。

女性は「夫と一緒に、子育てをしたい」と考えています。夫の意思が固ければ、調停、裁判でも離婚は認められてしまうのでしょうか。別居期間が何年程度になれば、離婚は認められるのでしょうか。小田紗織弁護士に聞きました。

●「夫の意思が固ければ、認められる」

ーー調停、裁判になった場合、離婚は認められるのでしょうか。

結論から申し上げますと、夫の意思が固ければ、遅かれ早かれ裁判で離婚は認められます。

婚姻関係というのは、夫婦が互いに婚姻関係の維持という同じ方向に気持ちが向かっていて成り立つものです。どちらかがその意欲を失ってしまい、改善する意欲もない場合には、いずれ夫婦関係は破綻します。

ーー夫が離婚を望む限り、認められることになりますか。

「配偶者に不貞な行為があったとき」は、裁判上の離婚の理由として民法に明記されていま す(民法770条1項1号)。

夫がこれを理由に離婚を請求してきた時に、いくら相談者様が調停で離婚を拒み、訴訟で離婚を争ったとしても、夫が離婚を求める限り、最終的には法律どおりに離婚は認められるでしょう。

●「一緒に子育てをしたい」は無理なのか

ーーこれから子どもが生まれてきます。小さな子どもがいることは、裁判所の判断に影響しないのでしょうか。

離婚の請求は「信義誠実の原則に照らし容認され得るものでなければならない」とされています。

婚姻期間と別居期間の比較、子どもの年齢、離婚により相手方配偶者や子が極めて過酷な状況に置かれるなど、著しく社会正義に反する特段の事情があれば、棄却される可能性はあります。

ただし、これは有責配偶者(例;不貞をした配偶者)が離婚を請求した場合に適用されるものですので、ご相談のケースには当てはまりません。

ーー夫からの離婚請求が認められない、という可能性はないのでしょうか

もしかすると、夫も妻よりも長期にわたり不貞をしていたなど、夫に多大な落ち度がある場合や、夫は婚姻費用の請求に対して一切送金してくれず、妻と子がとても過酷な状況に陥ってしまうという場合に、離婚請求が棄却されることはあるかもしれません。

相談のケースでは、おそらく婚姻期間はさほど長いわけではないようですし、「夫と一緒に、子育てをしたい」と仰るくらいですから、夫側に不貞や暴力といった問題はないようで す。

また、現在、夫は生活費、家賃を払っていないということですが、婚姻費用を請求すれば、協議なり調停の段階で支払いに応じるようになるかもしれません。

生まれて間もない子どもがいるという事情があったとしても、離婚は避けられない可能性が高いかと思います。冒頭の話に戻りますが、夫が婚姻関係の継続に気持ちが向くように、夫の信頼を取り戻すように、ご相談者様ご自身が努力するしかないでしょう。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る