6148.jpg
災害弔慰金の不支給「理由を書面で示して」日弁連が被災4県の自治体に要望
2017年03月22日 18時36分

熊本地震や東日本大震災で被災し、その後死亡した人の遺族に対する災害弔慰金を不支給とした理由が十分に示されていないとして、日本弁護士連合会(日弁連)は3月22日、結論にいたる過程を具体的に示した通知書を遺族に交付するよう求める意見書を、熊本県、宮城県、福島県、岩手県内の市町村に提出したことを発表した。

災害弔慰金は、災害により死亡した人の遺族に対して、自治体の条例に基づいて支給される見舞金制度。災害によって亡くなった人の遺族のほか、避難生活での体調悪化が原因で亡くなった場合など「災害関連死」と認定された人の遺族にも支給される。

遺族の申請にもとづいて、被災地の市長村が支給対象かどうかを判断するが、審査結果を通知する方法について統一的な基準はない。そのため、市町村によって対応にばらつきがあり、「地震による因果関係が認められない」など抽象的な理由しか示さないケースや、口頭での説明しかしないケースなどが後を絶たないという。

意見書では、災害弔慰金の支給申請に対する不支給決定は行政処分にあたるため、行政手続法に則った運用が求められると主張している。具体的には、不支給の決定をする場合には、その理由を具体的に、書面によって示すことなどを求めている。

日弁連副会長の岩渕健彦弁護士は、3月22日に東京・霞が関の弁護士会館で開いた記者会見で、「遺族からすれば、愛する人が亡くなった原因が病気なのか、それとも災害なのかというのは非常に大きな点だ。(災害弔慰金の制度は)お金の問題だけではなく、遺族への精神的な慰謝の部分が大きい」と指摘。

「不支給の決定に納得できず不服を申し立てようにも、結論にいたった経緯がわからなければ困難だ。(現在の運用は)遺族の思いを無視するに等しい」と運用の改善を訴えた。

(弁護士ドットコムニュース)

熊本地震や東日本大震災で被災し、その後死亡した人の遺族に対する災害弔慰金を不支給とした理由が十分に示されていないとして、日本弁護士連合会(日弁連)は3月22日、結論にいたる過程を具体的に示した通知書を遺族に交付するよう求める意見書を、熊本県、宮城県、福島県、岩手県内の市町村に提出したことを発表した。

災害弔慰金は、災害により死亡した人の遺族に対して、自治体の条例に基づいて支給される見舞金制度。災害によって亡くなった人の遺族のほか、避難生活での体調悪化が原因で亡くなった場合など「災害関連死」と認定された人の遺族にも支給される。

遺族の申請にもとづいて、被災地の市長村が支給対象かどうかを判断するが、審査結果を通知する方法について統一的な基準はない。そのため、市町村によって対応にばらつきがあり、「地震による因果関係が認められない」など抽象的な理由しか示さないケースや、口頭での説明しかしないケースなどが後を絶たないという。

意見書では、災害弔慰金の支給申請に対する不支給決定は行政処分にあたるため、行政手続法に則った運用が求められると主張している。具体的には、不支給の決定をする場合には、その理由を具体的に、書面によって示すことなどを求めている。

日弁連副会長の岩渕健彦弁護士は、3月22日に東京・霞が関の弁護士会館で開いた記者会見で、「遺族からすれば、愛する人が亡くなった原因が病気なのか、それとも災害なのかというのは非常に大きな点だ。(災害弔慰金の制度は)お金の問題だけではなく、遺族への精神的な慰謝の部分が大きい」と指摘。

「不支給の決定に納得できず不服を申し立てようにも、結論にいたった経緯がわからなければ困難だ。(現在の運用は)遺族の思いを無視するに等しい」と運用の改善を訴えた。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る