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ダルビッシュ投手が指摘、「推定年俸」報じる弊害 大リーグ式「公表制」にできるか?
2019年12月14日 09時39分

日本球界の球団は、選手との交渉で推定年俸を都合よく利用しているのではーー。米大リーグ、シカゴ・カブスに所属するダルビッシュ有投手(33)が11月14日、自身のYouTubeチャンネルに「推定年俸の闇」と題する動画をアップした。

推定年俸の報道は、シーズン終了後の風物詩となっている。しかし、推定年俸は実際の年俸と一致しているとは限らない。ダルビッシュ投手は、この「推定」を球団が都合よく利用しているのではないかという。

例えば、A選手と球団との交渉の場で、球団側が「3500万円を要求されても、あなたと同じくらいの成績のB選手が3000万円(推定年俸、実際は3500万円)なのだから、あなた(A選手)にはそこまであげられない」と説明するなど、報道されている推定年俸を他の選手の契約交渉に都合よく利用するケースを耳にしたことがあるという。

選手側が交渉材料として使うこともできそうだが、球団との力関係的に難しい側面があるのかもしれない。

ダルビッシュ投手は、こうした「推定年俸の闇」の解決策の一つとして、球界をあげて、大リーグのように「実際の年俸の公表」を進めるべきという。年俸の公表について、日本プロ野球選手会公認代理人である五十部紀英弁護士に聞いた。

日本球界の球団は、選手との交渉で推定年俸を都合よく利用しているのではーー。米大リーグ、シカゴ・カブスに所属するダルビッシュ有投手(33)が11月14日、自身のYouTubeチャンネルに「推定年俸の闇」と題する動画をアップした。

推定年俸の報道は、シーズン終了後の風物詩となっている。しかし、推定年俸は実際の年俸と一致しているとは限らない。ダルビッシュ投手は、この「推定」を球団が都合よく利用しているのではないかという。

例えば、A選手と球団との交渉の場で、球団側が「3500万円を要求されても、あなたと同じくらいの成績のB選手が3000万円(推定年俸、実際は3500万円)なのだから、あなた(A選手)にはそこまであげられない」と説明するなど、報道されている推定年俸を他の選手の契約交渉に都合よく利用するケースを耳にしたことがあるという。

選手側が交渉材料として使うこともできそうだが、球団との力関係的に難しい側面があるのかもしれない。

ダルビッシュ投手は、こうした「推定年俸の闇」の解決策の一つとして、球界をあげて、大リーグのように「実際の年俸の公表」を進めるべきという。年俸の公表について、日本プロ野球選手会公認代理人である五十部紀英弁護士に聞いた。

●球団側は選手の同意なく年俸を公表することができない

ーー球団側が選手の年俸を公表しないのはどのような理由が考えられますか

「球団側が選手の年俸を公表しない理由として、選手と交わす契約やプライバシーへの配慮に加え、公表すると、それを知った他の選手に年棒を上げるための交渉材料として使われてしまう可能性があるためと考えられます。

また、出来高制のようにインセンティブを用いた契約の場合、契約更改直後に正確な年俸を公表することができないという事情もあるようです」

ーーもし、球団側が公表しようと考えたら、任意にすることができますか

「プロ野球選手の年俸は、球団と選手との間の契約で決まりますから、年俸を公表しないことが契約書で定められている場合は、選手の合意がない限り、公表することはできません。

他方、年俸を公表しないことが契約書で定められていない場合でも、球団側が選手の同意なく年俸を公表することは、選手のプライバシーを侵害する可能性がありますので、公表する場合には選手の合意が必要になります」

●年俸の公表を良く思わない選手も

ーー仮に年俸が一律に公表されたら、選手にはどのような影響があると考えられますか

「推定とはいえ、『収入が公表』されている職業は、プロ野球選手くらいだと思います。年収はセンシティブな情報ですし、年俸が公表されることを良く思わない選手もいるでしょう。

また、プロ野球選手は個人事業主であり、毎年、確定申告をしています。契約更改の時期になると、税務署が目を光らせているといわれていますので、選手としては、自分の年俸が公表されることにより、税務当局から様々な追及を受ける可能性も出てきます」

●代理人による年俸交渉を積極的に認める環境を作るべき

ーーダルビッシュ投手は同じ動画内で、代理人をつけずに選手本人が交渉することについても言及していました

「大リーグでは、多くの選手が契約更改時に代理人をつけていますが、日本では、代理人制度が浸透しているとはいえません。

できる限り年俸等の条件面を低く抑えたい球団側にとっては、選手との交渉時に交渉のプロである代理人が出てくれば不利になるという側面があります。また、選手としては球団側の雰囲気を察し、代理人をつけにくい環境があるようです。

選手が本来の仕事であるプレーや練習に専念できるようにするためにも、球団側は代理人による交渉を積極的に認める環境を作るべきだと思います」

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