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工具所持の男性に「深夜5時間」の取り調べ、東京都に賠償命令
2022年03月10日 18時39分

警視庁の警察官に違法な取り調べ・身体拘束をされたことで、精神的な苦痛を受けたとして、東京都内の工事業者、中野健太郎さんが国家賠償法に基づき、都に慰謝料などをもとめた訴訟で、東京地裁は3月10日、原告の請求を一部認めて、計22万円の支払いを命じた。

判決などによると、原告の中野さんは2019年2月4日午後9時25分ごろ、都内の路上で作業車を停めていたところ、警視庁・中野署の警察官に職務質問をされた。その際、車内から工具(ツールナイフやタクティカルペンなど)が見つかったことから、携帯の理由を聞かれたうえで中野署に任意同行した。

その後、中野さんは、正当な理由もなく工具を携帯していたとして、取り調べを受けて、鑑識資料の作成や、車内の写真撮影などの捜査をされた。中野署での捜査が終わって、自宅前に戻ったのは、翌午前5時ごろのことだった。同年4月、嫌疑不十分で不起訴処分となった。

中野さんは同月、東京都を相手取り、慰謝料など計330万円をもとめて提訴した。

中野さん側は、工具は工事業者として所持していたのであり、(1)職務質問は違法で、実質強制力を伴う任意同行だった、(2)取り調べは、深夜に長時間にわたり、限度を超えていた、(3)承諾してないのにポケットに手を入れたり、服の上から肛門や男性器を執拗に触るなどの所持品検査をされた――などと主張していた。

加本牧子裁判長は、職務質問や任意同行について「違法」とは言えず、承諾のない所持品検査も「考えがたい」としたものの、深夜にわたって5時間の取り調べを実施したことについては、「合理的な理由は見出しがたく、社会通念上許容される限度を超えたものに至っていた」として、違法だと判断した。

この日の判決を受けて、中野さんは弁護士ドットコムニュースの取材に対して、「賠償額は(請求よりも)少ないものの、国賠訴訟で一部でも認められたことはうれしい」と話した。中野さんの代理人によると、控訴など、今後については未定で、判決内容を検討しているとしている。

警視庁の警察官に違法な取り調べ・身体拘束をされたことで、精神的な苦痛を受けたとして、東京都内の工事業者、中野健太郎さんが国家賠償法に基づき、都に慰謝料などをもとめた訴訟で、東京地裁は3月10日、原告の請求を一部認めて、計22万円の支払いを命じた。

判決などによると、原告の中野さんは2019年2月4日午後9時25分ごろ、都内の路上で作業車を停めていたところ、警視庁・中野署の警察官に職務質問をされた。その際、車内から工具(ツールナイフやタクティカルペンなど)が見つかったことから、携帯の理由を聞かれたうえで中野署に任意同行した。

その後、中野さんは、正当な理由もなく工具を携帯していたとして、取り調べを受けて、鑑識資料の作成や、車内の写真撮影などの捜査をされた。中野署での捜査が終わって、自宅前に戻ったのは、翌午前5時ごろのことだった。同年4月、嫌疑不十分で不起訴処分となった。

中野さんは同月、東京都を相手取り、慰謝料など計330万円をもとめて提訴した。

中野さん側は、工具は工事業者として所持していたのであり、(1)職務質問は違法で、実質強制力を伴う任意同行だった、(2)取り調べは、深夜に長時間にわたり、限度を超えていた、(3)承諾してないのにポケットに手を入れたり、服の上から肛門や男性器を執拗に触るなどの所持品検査をされた――などと主張していた。

加本牧子裁判長は、職務質問や任意同行について「違法」とは言えず、承諾のない所持品検査も「考えがたい」としたものの、深夜にわたって5時間の取り調べを実施したことについては、「合理的な理由は見出しがたく、社会通念上許容される限度を超えたものに至っていた」として、違法だと判断した。

この日の判決を受けて、中野さんは弁護士ドットコムニュースの取材に対して、「賠償額は(請求よりも)少ないものの、国賠訴訟で一部でも認められたことはうれしい」と話した。中野さんの代理人によると、控訴など、今後については未定で、判決内容を検討しているとしている。

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