6426.jpg
エスカレーター「片側空け」は危険なのに…後ろから「どけ!」と言われたらどうすればいい?JRに聞いた
2024年07月25日 11時02分
#JR東日本 #エスカレーター #片側空け #どけ

エスカレーターを「歩かず立ち止まろう」と安全利用を呼びかけるキャンペーンが7月22日から、全国の鉄道事業者や空港・商業施設、一部の自治体ではじまった。

エスカレーターの片側を歩行用にあける習慣「片側空け」についても、障害者や高齢者に限らず、さまざまな事情で手すりをつかまないといけない人もいるため、危険な事故につながる場合もあるとしている。

埼玉県や名古屋市などの自治体によっては、罰則こそないものの、条例で「立ち止まった状態でエスカレーターを利用しなければならない」と義務付け、左右両側に立ち止まることを推進している。

画像タイトル 駅のエレベーターの注意書き

とはいえ、東京や大阪などの都心などでは、今もエスカレーターを片側空けにする習慣が存在し、ひどいときには後ろから来た人に「どけ」と言われることもある。

SNSでは、片側を空けずに立ち止まっていると、下から「どいて」「急いでいるのですみません」と言われたという投稿が少なくない。また、「どいてほしい」とアピールするためか、手すりを叩いてドンドン音を鳴らされたという投稿もあった。

「どけ」と言われた際の対応について、今回のキャンペーンに参加しているJR東日本に聞いた。

画像タイトル 駅のエレベーターの注意書き

「基本的には立ち止まって2列に並んでご利用いただきたいと考えております。しかしながら、片側を空けて歩行することが一定程度定着している現状があることから、すぐに全てのエスカレーターにおいて立ち止まり、2列に並んでご利用いただくことは困難であるとも認識しております」

「このため、弊社ではエスカレーターご利用の際は譲り合ってご利用いただくとともに、『歩かず立ち止まること』並びに『手すりにつかまっていただくこと』を慫慂(※編注)するキャンペーンやご案内を全国の鉄道事業者等と連携して社会へ訴求していきたいと考えています」

(※編注:「慫慂」の読みは「しょうよう」。三省堂国語辞典第八版によれば「〔〜しなさい、と言って〕すすめること」)

具体的な対応策は避けながらも、長い目で理想の形にたどりつこうと考えていることが伝わってくる回答だった。

JR北海道も取材に回答を寄せた。

「エスカレーターの利用時は、歩かず立ち止まること、手すりにつかまることや駆け上がったり、駆け下りたりしないことが一般的な使い方とされており、これを守ってご利用いただくことで安全にご利用いただけるものと考えております。

しかしながら、片側を開けて歩行することが広く慣習として定着している現状を鑑み、エスカレーターを有する施設や企業が個別に利用法についての見解を示すことで冒頭の一般的な使い方を浸透させることは容易ではないと認識しております。

そこで、今回のキャンペーンでも、全国の鉄道事業者と連携してポスターの掲出や駅構内放送を行い、ご利用のお客さま全員が歩かずに立ち止まって、手すりにつかまり安全にご利用いただけるよう呼びかけています」

画像タイトル 駅のエレベーターの注意書き

そもそも、エスカレーターでそんなに急ぐ必要はあるのか。

漫画『ひらやすみ』(作:真造圭伍さん)では、「片側空け」が結果的にエスカレーターに渋滞を招いているとして、エスカレーターで歩く場合と階段で歩く場合にどれだけの差が生じるか調べるため、主人公が友人と実験した。

その結果は3メートルだったといい、主人公は「それで人生の何が変わんの!?」と吠えている。

画像タイトル 駅のエレベーターの注意書き

(※8月15日 JR北海道の回答を追記しました)

エスカレーターを「歩かず立ち止まろう」と安全利用を呼びかけるキャンペーンが7月22日から、全国の鉄道事業者や空港・商業施設、一部の自治体ではじまった。

エスカレーターの片側を歩行用にあける習慣「片側空け」についても、障害者や高齢者に限らず、さまざまな事情で手すりをつかまないといけない人もいるため、危険な事故につながる場合もあるとしている。

埼玉県や名古屋市などの自治体によっては、罰則こそないものの、条例で「立ち止まった状態でエスカレーターを利用しなければならない」と義務付け、左右両側に立ち止まることを推進している。

画像タイトル 駅のエレベーターの注意書き

とはいえ、東京や大阪などの都心などでは、今もエスカレーターを片側空けにする習慣が存在し、ひどいときには後ろから来た人に「どけ」と言われることもある。

SNSでは、片側を空けずに立ち止まっていると、下から「どいて」「急いでいるのですみません」と言われたという投稿が少なくない。また、「どいてほしい」とアピールするためか、手すりを叩いてドンドン音を鳴らされたという投稿もあった。

「どけ」と言われた際の対応について、今回のキャンペーンに参加しているJR東日本に聞いた。

画像タイトル 駅のエレベーターの注意書き

●JR東「2列で立ち止まってほしい」「すぐには困難であることも認識している」

「基本的には立ち止まって2列に並んでご利用いただきたいと考えております。しかしながら、片側を空けて歩行することが一定程度定着している現状があることから、すぐに全てのエスカレーターにおいて立ち止まり、2列に並んでご利用いただくことは困難であるとも認識しております」

「このため、弊社ではエスカレーターご利用の際は譲り合ってご利用いただくとともに、『歩かず立ち止まること』並びに『手すりにつかまっていただくこと』を慫慂(※編注)するキャンペーンやご案内を全国の鉄道事業者等と連携して社会へ訴求していきたいと考えています」

(※編注:「慫慂」の読みは「しょうよう」。三省堂国語辞典第八版によれば「〔〜しなさい、と言って〕すすめること」)

具体的な対応策は避けながらも、長い目で理想の形にたどりつこうと考えていることが伝わってくる回答だった。

JR北海道も取材に回答を寄せた。

「エスカレーターの利用時は、歩かず立ち止まること、手すりにつかまることや駆け上がったり、駆け下りたりしないことが一般的な使い方とされており、これを守ってご利用いただくことで安全にご利用いただけるものと考えております。

しかしながら、片側を開けて歩行することが広く慣習として定着している現状を鑑み、エスカレーターを有する施設や企業が個別に利用法についての見解を示すことで冒頭の一般的な使い方を浸透させることは容易ではないと認識しております。

そこで、今回のキャンペーンでも、全国の鉄道事業者と連携してポスターの掲出や駅構内放送を行い、ご利用のお客さま全員が歩かずに立ち止まって、手すりにつかまり安全にご利用いただけるよう呼びかけています」

●エスカレーターで急いでどうなる

画像タイトル 駅のエレベーターの注意書き

そもそも、エスカレーターでそんなに急ぐ必要はあるのか。

漫画『ひらやすみ』(作:真造圭伍さん)では、「片側空け」が結果的にエスカレーターに渋滞を招いているとして、エスカレーターで歩く場合と階段で歩く場合にどれだけの差が生じるか調べるため、主人公が友人と実験した。

その結果は3メートルだったといい、主人公は「それで人生の何が変わんの!?」と吠えている。

画像タイトル 駅のエレベーターの注意書き

(※8月15日 JR北海道の回答を追記しました)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る