6474.jpg
GPS監視、飲み会禁止…厳しすぎる「婚前契約」の有効性は? 「浮気したら財産没収」との爆弾に怯える夫
2024年11月05日 10時10分
#離婚 #婚前契約 #モラハラ #財産分与

結婚前に「浮気したら財産を全部没収」という契約書にサインしましたが、妻の浮気チェックが厳しすぎてもう無理です──。こんな相談が弁護士ドットコムに寄せられています。

相談者の男性は、結婚する際に、「浮気したら財産の全部没収」という婚前契約書にサインしました。この婚前契約書は、相談者が交際中に一度浮気したことを受けて作成されたそうです。

その後、相談者は、妻からGPSをつけられたり、女性との会話をチェックするために仕事中の様子を録音させられたり、遊ぶ友達を選ばれたり、女性がいない職場への転職を促されたりなどしています。もちろん飲みになど行けませんし、飲みに行きたいなどと言えば一日中罵られます。

相談者は結婚生活に限界を感じており、離婚を考えているといいますが可能でしょうか。また、このような婚前契約書の効力は生じるのでしょうか、山口政貴弁護士に聞きました。

結婚前に「浮気したら財産を全部没収」という契約書にサインしましたが、妻の浮気チェックが厳しすぎてもう無理です──。こんな相談が弁護士ドットコムに寄せられています。

相談者の男性は、結婚する際に、「浮気したら財産の全部没収」という婚前契約書にサインしました。この婚前契約書は、相談者が交際中に一度浮気したことを受けて作成されたそうです。

その後、相談者は、妻からGPSをつけられたり、女性との会話をチェックするために仕事中の様子を録音させられたり、遊ぶ友達を選ばれたり、女性がいない職場への転職を促されたりなどしています。もちろん飲みになど行けませんし、飲みに行きたいなどと言えば一日中罵られます。

相談者は結婚生活に限界を感じており、離婚を考えているといいますが可能でしょうか。また、このような婚前契約書の効力は生じるのでしょうか、山口政貴弁護士に聞きました。

●「財産全部没収」の婚前契約は無効になる可能性も

——婚前契約書には法的効力はあるのでしょうか。

婚前契約書というのは、結婚前に夫婦間の約束を取り交わした書面のことですが、基本的には法的効力を生じます。その中でも、夫婦の財産に関する契約については「夫婦財産契約」という名前で呼ばれ、民法でも規定されているものになります。

——婚前契約書を作成することにはどんなメリットやデメリットがありますか。

夫婦の財産は法律上基本的には共有すなわち2人のものと決められていますので、この財産だけは共有にしたくない、といったような取り決めができるのが婚前契約書の最大のメリットでしょう。

また、婚前契約書の作成は結婚に向けての「セレモニー」という側面もあるでしょう。

デメリットとしては、結婚後予期せぬできごとが起こった時でも、婚前契約の内容に拘束されてしまうということです。

——「浮気したら財産の全部没収」という婚前契約は有効なのでしょうか。

婚前契約に限らず、すべての契約は「公序良俗に反するものは無効」と民法で定められています。

つまり、日本の社会において到底受け入れがたい内容の契約は、たとえ双方が合意していても法律上無効にする、というものです。たとえば、犯罪をする代わりに報酬を支払う、などいう契約がこれに該当し、無効となります。

問題は「浮気したら財産の全部没収」という内容が公序良俗に反するかどうかですが、あくまでケースバイケースではありますが、浮気によって離婚した際の慰謝料は一般的には200~300万円程度になることが多いです。

その額をはるかに超えるような財産を没収するという内容の婚前契約は無効になる可能性が高いでしょう。

——相談者は離婚も考えているようですが、何かしておくべきことはありますか。

画像タイトル 画像はイメージです(siro46 / PIXTA)

離婚するためには何はともあれ別居することです。

妻との結婚生活に限界を感じているのであれば、すぐさま別居し、ある程度の期間が経過してから離婚調停を申し立てるのが最善かと思われます。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る