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内定辞退した会社から呼び出され「クッソ怖い」「説得を危惧」…応じる必要はある?
2016年08月11日 09時29分

内定を辞退したら、「会社に来てください」と呼び出されたーー。インターネットの掲示板に、そんな書き込みが投稿された。投稿者は「クッソ怖いんだが どうしようどうしようどうしよう」と不安な胸の内を明かしている。

投稿者によると、内定をもらった会社に、辞退をする旨を電話で伝えたところ、人事部の社員から「形式上電話だけでは受け付けられないことになってるので会社にお越しください」と言われたのだという。

すでに会社に訪問する日程は決めたそうだが、投稿者はその会社に対して内定承諾書を提出した上で辞退を申し出ており、「行くけども怖い」「コーヒーかけられるとかならまだマシ」「長いこと説得され続けることを危惧してる」と話している。

これに対し、「拒否れ」「行かなくてええやろ」などのコメントがあった。内定を辞退した会社から呼び出された場合、応じる必要はあるのだろうか。また、投稿者が提出したという内定承諾書には、法的な効力があるのだろうか。浅野英之弁護士に聞いた。

内定を辞退したら、「会社に来てください」と呼び出されたーー。インターネットの掲示板に、そんな書き込みが投稿された。投稿者は「クッソ怖いんだが どうしようどうしようどうしよう」と不安な胸の内を明かしている。

投稿者によると、内定をもらった会社に、辞退をする旨を電話で伝えたところ、人事部の社員から「形式上電話だけでは受け付けられないことになってるので会社にお越しください」と言われたのだという。

すでに会社に訪問する日程は決めたそうだが、投稿者はその会社に対して内定承諾書を提出した上で辞退を申し出ており、「行くけども怖い」「コーヒーかけられるとかならまだマシ」「長いこと説得され続けることを危惧してる」と話している。

これに対し、「拒否れ」「行かなくてええやろ」などのコメントがあった。内定を辞退した会社から呼び出された場合、応じる必要はあるのだろうか。また、投稿者が提出したという内定承諾書には、法的な効力があるのだろうか。浅野英之弁護士に聞いた。

●呼び出しに応じず、電話のみで意思を伝えても問題ない

「労働法を守らないブラック企業ほど、大量に採用し、離職率も高い傾向にあります。ブラック企業では、採用数の確保は死活問題であり、内定辞退などをされては非常に困ったことになります。

そのため、『内定辞退には面談が必要』などと対面を要求することによって、内定辞退の心理的なハードルを上げたり、はたまた、『内定辞退をするのであれば募集・採用コストの損害賠償をする』などと脅したりして、内定辞退をできる限り阻止しようとするのです。

しかし、憲法では労働者の職業選択の自由が保証され、労働法でも、労働者の意思に反する強制労働は禁止されています。労働者の意思に反して内定辞退を阻止することも、問題ある行為だと考えられます」

浅野弁護士はこのように述べる。投稿者は、会社からの呼び出しに応じる必要はあるのか?

「法律で『内定辞退は対面でなければならない』と決まっているわけではありません。内定辞退の意思が会社に伝わればいいので、呼び出しに応じず、電話のみで意思表示をしても全く問題ありません。ただ、後々、争いが生じた場合には証拠が重要となりますので、書面など記録に残る方法で意思を伝えるとより良いでしょう。

もちろん、対面できちんと説明することで、円満に解決する可能性があるなら、労働者の側から自発的に対面で説明をしに行くことも1つの方法でしょう。ただし、暴言を浴びせられたり、暴力を振るわれたりといった危険がある場合には、対面での内定辞退を避けるべきケースも多いと思われます」

投稿者は「内定承諾書」を会社に提出したということだが、それでも内定辞退できるのだろうか。

「たとえ、『内定辞退をしない』という内容の内定承諾書にサインして会社に提出していたとしても、上記のように辞退の意思を伝えれば、内定辞退が可能です。

内定辞退にあたっては、会社からとやかく言われることもあるかもしれませんが、毅然とした態度で、辞退の意思が固いことを会社に伝え続けましょう」

(弁護士ドットコムニュース)

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