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コロナ禍でも救急搬送、イッキ飲みコールで「酒は凶器に」 遺族ら団体がうったえ
2022年03月04日 19時32分

新型コロナの影響で、飲食店の営業時間や人数が制限されて、リアルな飲み会の開催は難しい現状にある。それでも、飲酒運転による死傷事故や急性アルコール中毒での救急搬送は後を絶たない。

こうした状況を受けて、「イッキ飲み」で子どもを亡くした遺族などでつくる「イッキ飲み防止連絡協議会」は3月1日、イッキ飲みや飲酒を強要するアルコールハラスメント(アルハラ)の防止を訴えるキャンペーンを始めた。

キャッチコピーは「コールでお酒は凶器に変わる」。イッキ飲みやアルハラは、他者と自らの命を危険にさらし、死に至ることもあるとして、警鐘を鳴らす。

新型コロナの影響で、飲食店の営業時間や人数が制限されて、リアルな飲み会の開催は難しい現状にある。それでも、飲酒運転による死傷事故や急性アルコール中毒での救急搬送は後を絶たない。

こうした状況を受けて、「イッキ飲み」で子どもを亡くした遺族などでつくる「イッキ飲み防止連絡協議会」は3月1日、イッキ飲みや飲酒を強要するアルコールハラスメント(アルハラ)の防止を訴えるキャンペーンを始めた。

キャッチコピーは「コールでお酒は凶器に変わる」。イッキ飲みやアルハラは、他者と自らの命を危険にさらし、死に至ることもあるとして、警鐘を鳴らす。

●大学生の飲み会「飲まなければいけない空気感」、未成年の飲酒も

イッキ飲み防止連絡協議会はこのほど、大学生らを対象に「コロナ禍の大学生の飲酒状況アンケート調査」(インターネット/調査期間:11月12日~12月9日)を実施した。558人から回答があった。

キャンペーンのウェブサイトで公表されている調査結果によると、2021年にリアルな飲み会があったと回答したのは216人(33%)。一方、オンライン飲み会の経験者は118人(21%)で、リアルな飲み会よりも少なかった。

また、オンライン・リアルともに、飲み会に参加しても、主にノンアルコールや清涼飲料などを飲むと回答した学生も一定数いた。

コロナ禍に限らず、これまでに経験した飲み会で嫌なことがあったと回答したのは62人。嫌なことの内容は、「飲酒の強要」(24人)、「セクハラ的な言動・行動」(21人)、「罰ゲームなどでのイッキ」(19人)と続いた(複数回答)。

「その他」(14人)には「強要ではないが、飲まなければいけない空気感」「酒の強要をされていて、見ていてかわいそうに感じた」「そもそも飲み会というものが嫌い」などの声が寄せられた。

これまでに未成年者のいる飲み会に参加したことがあると回答したのは194人。このうち80人が、未成年者の飲酒を確認したことがあると回答した。

●「危ない兆候」コール動画にアクセス集中

4月1日からは民法改正により、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられる。しかし、20歳未満の飲酒は、禁止されたままだ。心身に与える影響が大きく、警察庁や東京消防庁のデータによると、実際に飲酒運転による事故を起こしたり、急性アルコール中毒で救急搬送されたりする人の多くを占めるのは、10〜20代の若者とされる。

コロナ禍である2020年は、2019年と比べて飲酒運転による死亡事故件数が減少しているほか、急性アルコール中毒で救急搬送された人数(1万1291人)も2019年(計1万8212人)より下回るなど、全体的な数としては減っている。

しかし、緊急事態宣言が発令された2020年4月の搬送人数(330人)は2019年4月(1514人)と比較して大幅に減っているものの、宣言解除後は再び上昇し、6〜12月は約900〜1000人程度と横ばいの状態が続いている。

イッキ飲み防止連絡協議会の事務局であるNPO法人「ASK」代表・今成知美さんは「数は減ったとはいえ、コロナが落ち着いたタイミングで事故が起きないか心配」と指摘する。

また、TikTokでコール動画にアクセスが集中したり、イッキ飲みを促すパーティーゲーム(小瓶リキュールパックがついたすごろくなど)がYouTubeで話題となり、完売した状況について、「危ない兆候が出ている」と警鐘を鳴らす。

キャンペーンは、文部科学省、厚生労働省などが後援し、今年で30回目。啓発グッズであるクリアファイルを先着1000人にプレゼントする。また、実際に体験したり見聞きしたりした「あぶない飲み会」のエピソードも募集している。啓発を目的としたマンガ化の可能性もあるという。

【イッキ飲み・アルハラ防止キャンペーンのウェブサイト】
https://www.noikki.jp/index.html

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