6899.jpg
コンビニオーナー労組「この1年で組合員の25%が廃業」の衝撃…業界の厳しさ顕在化
2018年08月22日 09時57分

この1年で、組合員の25.8%に相当する29人が廃業ーー。大手コンビニオーナーでつくる「コンビニ加盟店ユニオン」が組合員の減少に悩んでいる。

同ユニオンは、「コンビニオーナーは労働組合法上の労働者」という立場。チャージ(粗利に応じてオーナーが本部に納めるお金)の引き下げや24時間営業の見直しなどについて団体交渉を求め、セブンイレブンとファミリーマートの本部を相手に中央労働委員会(東京)で争っている。

来春にも結果が出る見通しだが、仮にユニオン側が勝っても、舞台を裁判に移し、最高裁まで行くのは必至。ユニオンを結成した2009年に始まった争いは、10年近く経った今も解決されないままだ。

コンビニの飽和や人件費の高騰、自らの長時間労働に加え、先が見えない「持久戦」にオーナーたちが疲弊している。(編集部・園田昌也)

この1年で、組合員の25.8%に相当する29人が廃業ーー。大手コンビニオーナーでつくる「コンビニ加盟店ユニオン」が組合員の減少に悩んでいる。

同ユニオンは、「コンビニオーナーは労働組合法上の労働者」という立場。チャージ(粗利に応じてオーナーが本部に納めるお金)の引き下げや24時間営業の見直しなどについて団体交渉を求め、セブンイレブンとファミリーマートの本部を相手に中央労働委員会(東京)で争っている。

来春にも結果が出る見通しだが、仮にユニオン側が勝っても、舞台を裁判に移し、最高裁まで行くのは必至。ユニオンを結成した2009年に始まった争いは、10年近く経った今も解決されないままだ。

コンビニの飽和や人件費の高騰、自らの長時間労働に加え、先が見えない「持久戦」にオーナーたちが疲弊している。(編集部・園田昌也)

●組合員は前年比35人減、うち29人が廃業

8月21日、京都市内で開かれた、ユニオンの「第10回定期大会」。最大のテーマは、組合員の減少についてだった。ユニオンによると、大会の時点で前年の112人から約3割減の77人になった。

減った35人のうち、29人が廃業だといい、コンビニ業界の厳しい現状が推察される。残る6人も会員減に伴う組合費の値上げなどに反対してのものだったという。

ユニオンは、セブンイレブンについて2014年(岡山県労働委員会)、ファミリーマートについて2015年(東京都労働委員会)に、本部は団体交渉に応じるべきとする初の命令を勝ち取った。

しかし、本部は命令を受け入れず、中労委に再審査を請求。この間、いくらかの待遇改善はあったものの、ユニオンが求める抜本的な解決にはつながっていない。中労委の結果は、来春までに出ると見られるが、解決まではまだまだ時間がかかりそうだ。

一方、ユニオン側にとっては、争いが長引くことで、役員の出張や打ち合わせなどの費用がかかる。加えて、多くのオーナーは人件費の削減や人手不足のため、長時間労働をしながらの組合活動を余儀なくされている。

少ない人数で実績をあげ、廃棄を減らす「見切り販売」など、本部への対応を共有してきた一方、「持久戦」への疲弊感が組合員の減少を生んでいると見られる。

●オーナー間での認知度向上を目指す

ユニオンは今年、米セブンイレブンのオーナー団体(NCASEF)に招かれ、その大会を視察した。団体には、現地セブン店舗の約95%が加盟しているといい、日本との差に驚いたそうだ。

ユニオンでは今後、「自分のおかれている現状を知らないオーナーもいる」などとして、各地でフランチャイズ(FC)契約について学ぶ会合を開き、ユニオンの知名度を高める考え。

また、米国など他の先進国には、FCビジネスを規制する法律もあるが、日本にはぴったりと適合する法律がない。国会ではこの点について、十分な議論が進んでおらず、ユニオンはFC規制法の成立を目指し、ロビー活動を続けて行くという。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る