7000.jpg
「歴史的な出来事」「被害者の励みに」東電旧経営陣の強制起訴を受け原発告訴団が会見
2016年02月29日 20時08分

福島第一原子力発電所の事故をめぐって、検察審査会から「起訴すべき」という議決を受けた東京電力の勝俣恒久元会長ら旧経営陣3人が2月29日、検察官役の指定弁護士によって業務上過失致死の罪で強制的に起訴された。

この日、強制起訴のきっかけをつくる告訴・告発をおこなっていた「福島原発告訴団」とその弁護団が東京・霞が関の司法記者クラブを開いた。武藤類子団長は「原発事故から5年、告訴から4年の月日が費やされたが、起訴状が出されて、裁判が開かれることに感無量だ」と語った。弁護団の共同代表をつとめる河合弘之弁護士は「歴史的な出来事だ」と述べた。

福島第一原子力発電所の事故をめぐって、検察審査会から「起訴すべき」という議決を受けた東京電力の勝俣恒久元会長ら旧経営陣3人が2月29日、検察官役の指定弁護士によって業務上過失致死の罪で強制的に起訴された。

この日、強制起訴のきっかけをつくる告訴・告発をおこなっていた「福島原発告訴団」とその弁護団が東京・霞が関の司法記者クラブを開いた。武藤類子団長は「原発事故から5年、告訴から4年の月日が費やされたが、起訴状が出されて、裁判が開かれることに感無量だ」と語った。弁護団の共同代表をつとめる河合弘之弁護士は「歴史的な出来事だ」と述べた。

●「徹底的に究明してほしい」

強制的に起訴されたのは、東京電力の勝俣元会長、武藤栄元副社長、武黒一郎元副社長の3人。津波の襲来によって、福島第一原発が浸水する可能性について予見できたにもかかわらず、未然に防ぐ業務上の注意義務を怠って、13名にケガを負わせたほか、44人を避難を余儀なくさせるなどして死亡させたとして、業務上過失致死傷の罪に問われている。

武藤団長は会見で、「今も困難にある被害者にとって、大きな励みになると思う」「裁判で、私たちがまだ知らない新しい真実が明らかにされて、責任を取るべき被告人たちに公正な判決が下ることを信じている」と述べた。

河合弁護士は「もし検察審査会が二度にわたって起訴すべきと議決していなければ、この問題点がすべて闇に葬られていた。針の穴にラクダを通すような難しい作業で、ようやくここまでたどりついた。二度と事故を起こさないよう徹底的に究明してほしい」と話した。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る