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早稲田大の男子学生、女性准教授と大学をアカハラ提訴「性交渉を強要された」
2022年03月25日 18時58分

性交渉の強要を含むハラスメントを受けたとして、早稲田大学の男子学生(25)が3月25日、指導教員だった同大政治経済学術院の女性准教授と大学を相手取り、計750万円の損害賠償をもとめる訴訟を東京地裁に起こした。

提訴後の記者会見で、男子学生は「ほかに道はなかった。ハラスメント防止委員会や第三者委員会の調査はあまりにアンフェアで正義ではない」と提訴に踏み切った理由を話した。

性交渉の強要を含むハラスメントを受けたとして、早稲田大学の男子学生(25)が3月25日、指導教員だった同大政治経済学術院の女性准教授と大学を相手取り、計750万円の損害賠償をもとめる訴訟を東京地裁に起こした。

提訴後の記者会見で、男子学生は「ほかに道はなかった。ハラスメント防止委員会や第三者委員会の調査はあまりにアンフェアで正義ではない」と提訴に踏み切った理由を話した。

●性交渉は海外、自宅、研究室で強要されたと主張

原告代理人の尾崎行正弁護士らによると、男子学生は2014年、早稲田大政治経済学部に入学し、2018年に大学院修士課程、2021年から博士過程に進学した。

原告側は、准教授が2017年2月ごろから、男子学生を恋人のように扱いはじめて、同年3月、台湾出張に同行させて、性行為を強要したと主張している。

ほかにも、海外の学会に同行した際に宿泊した同じ部屋、准教授の自宅、大学の研究室でも性行為をおこなわせたと主張している。このような関係は、2018年夏まで続いたという。

当初20歳で、性経験のなかったという男子学生は、既婚者で子どももいる准教授との行為に罪悪感があったが、指導教員であることから断れなかったとしている。

男子学生はこの関係に苦しみ、自殺も考えたそうだ。

●大学の委員会では「ハラスメントはなかった」と結論

男子学生が2021年3月、大学のハラスメント防止委員会に申し立てたところ、7月になって「ハラスメント等の違法行為はなかった」とする調査結果が出されたという。

博士後期課程の指導教員だった野口晴子教授の援助もあって、大学に再度の調査を要請し、翌月には大学のコンプライアンス保持のための第三者委員会が設置された。

しかし、こちらの調査でも今年3月、准教授による「ハラスメント行為はなかった」と結論づけたという。

一連の調査や、原告代理人に対しても、准教授は性交渉等を認めていないそうだ。

●同室宿泊は認められた?

原告側は、一連の調査において、ハラスメント行為は認められなかったが、海外出張の際に同じ部屋に宿泊したことは認められたようだと話した。

裁判によって、どのような資料にもとづきハラスメントがなかったと結論づけたのか明らかにしたいとした。

●早稲田大学「ハラスメントを許さない立場」「不適切な行動の可能性もある」

早稲田大学は3月25日、弁護士ドットコムニュースの取材に、下記回答した。

本学学生が記者会見を開いたことは承知しておりますが、2022年3月25日現在、訴状を受け取っておらず、訴状の内容についてお答えすることはできません。

本学は、ハラスメントを許さない、常に被害者に寄り添う立場をとっております。本件に関しましては、中立・公正な調査を2度に渡って行い、大学としてしっかり調査いたしました。調査結果につきましては、法廷への影響を避けることから開示いたしません。その点もあわせてご承知おきください。

なお、先の調査で、直接遡上にのせられなかった行為の中に教員として不適切な行動があった可能性があり、今後の調査の結果、それが事実と認定されれば、厳正な対処を検討する用意があります。

本件に関しまして、政治経済学部生、研究科の大学院生をふくむ本学の在学生、保護者をはじめ関係の皆様にご不安を与えたことにつきまして、深くお詫びいたします。

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