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山梨学院大留学中に「性被害受けた」、カナダ人女性2人が提訴 約3000万円の損害賠償求め…東京地裁
2025年09月19日 16時03分
#セクハラ #性暴力 #山梨学院大 #アカハラ

山梨学院大に留学中、男性の教員や学生から性被害を受けたとして、カナダ人女性2人が9月19日、大学を運営する学校法人や教員、学生を相手取り、計約3000万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。

原告側は「大学は被害をなかったものとして取り扱い、隠ぺいしてきた」と批判。適切な対策をとらなかったとして安全配慮義務違反などを主張している。

山梨学院大をめぐっては、今年5月、元留学生のアメリカ人女性が、ほかの留学生から性暴力を受けたとして、学校法人や相手の留学生を提訴している。

(編集部注:本文には、具体的な性暴力の描写があります。お読みになる際には十分に注意してください)

山梨学院大に留学中、男性の教員や学生から性被害を受けたとして、カナダ人女性2人が9月19日、大学を運営する学校法人や教員、学生を相手取り、計約3000万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。

原告側は「大学は被害をなかったものとして取り扱い、隠ぺいしてきた」と批判。適切な対策をとらなかったとして安全配慮義務違反などを主張している。

山梨学院大をめぐっては、今年5月、元留学生のアメリカ人女性が、ほかの留学生から性暴力を受けたとして、学校法人や相手の留学生を提訴している。

(編集部注:本文には、具体的な性暴力の描写があります。お読みになる際には十分に注意してください)

●原告女性「何度も自宅に呼び出されセクハラ受けた」

訴状などによると、原告の1人、ヒラリー・ローゼントレーターさんは18歳だった2015年、山梨学院大国際リベラルアーツ学部の留学生していた。

奨学金取得に必要な科目の習得が遅れていたため、外国籍の男性教員から集中的に指導を受けていたが、指導できる教員は他にいなかったという。

この教員は指導するなどといって、ヒラリーさんを自宅に呼び始め、身体を触られるセクハラを繰り返し、宿泊を迫ることもあったとされる。

接触を拒否すれば、テストで不当な点数をつける「アカデミックハラスメント」や、頻繁にメールで命令するなどストーカー行為に発展したという。

さらに教員は「出身国で家族に危害を加えた人物を消した」などと語り、ヒラリーさんは自分も同じような目に遭うのではないかと恐怖を感じたという。

ヒラリーさんは大学に被害を申告して、セクハラ委員会が設置されたが、「外国人同士の文化の違い」などとして、ハラスメント認定されなかったという。

●原告女性「大学は女子学生を守っていない」

原告の女性2人はこの日、東京・霞が関の司法記者クラブの記者会見にオンライン参加した。

ヒラリーさんは会見で、提訴への思いを次のように語った。

「私が学部の先生から何カ月もセクハラを受けていた当時、まだ未成年でした。

大学側は私からの被害申告を受けたにもかかわらず、私の安全やメンタルヘルスを完全に無視しました。

私はあの忌まわしい時期を思い出したくありませんし、法廷に立ちたくもありません。けれども、私の事件のあと、何人もの女性たちが教員や同級生から性暴力を受ける事件がおきました。

大学は女子学生の安全を守るための行動をまったく何もしてきませんでした。そのようなことは許されません。私は大学を許しません」

●「今同意できる状態じゃない」と拒否したが・・・

もう1人の原告、サラ・ぺサドさんは2023年、1年間の交換留学生として来日した。

訴状などによると、サラさんは2024年、学内の共有スペースで、友人関係にあった男子学生からワインをすすめられて飲酒し、酔った状態でキスされたという。

突然のことで硬直しているサラさんを男子学生は腕を引っ張って男子寮の自室に連れ込んだ。翌朝にかけて、サラさんの衣服を脱がしたり、身体を触ったりしたという。

サラさんは「酔っていて同意できる状態じゃない」などと拒否したが、男子学生は「もう部屋に来たんだからダメなことはないんじゃない?」といって、ベッドの上で覆い被さってきたという。

その間、サラさんは何度も「No」と言い続けたが、男子学生は「俺が認めない限り、Noじゃない」などといって、行為をやめなかったという。

翌朝、サラさんは男子学生を怒らせないよう、迎合する態度をとりつつ、部屋から逃げ出した。

当日、男子学生はサラさんに対して、SNSのメッセンジャーで「あなたの尊厳を踏みにじる行為をしてしまい、お詫びします」と謝罪した。

サラさんはその後、学内の学生サポート窓口に相談したが、調査開始までに3カ月かかると言われ、男子学生からの保護といった配慮も得られなかったとしている。

サラさんは男子学生から再び性加害されるのではないかという恐怖から、学内を歩くこともできず、帰国を余儀なくされた。

●原告女性「加害者に処分なく、訴訟を決意」

サラさんは会見で、次のように述べた。

「大学は加害者に対して、速やかに適切な処分をしようとはしませんでした。加害者が性暴力の直後に加害行為を認めていたにもかかわらずです。

大学も教授も『中立でいなければならない』と称して、被害者である私の保護を拒み、調査に3カ月もかかるといって、被害申告を思いとどまらせようとしました。

最終的にカナダの所属大学に働きかけて、なんとか動き出しましたが、調査が始まったのは事件から1カ月も経った後のことでした。

私は安全上の理由から帰国を余儀なくされましたが、加害者に一切の処分もなく終わったことを知りました。そこで、私はこの訴訟に参加することを決意しました。

私が今日、この訴訟に参加したのは、他の女性たちに対して、性暴力に『声を上げても大丈夫』と示すためです」

●学校法人「コメントは差し控えさせていただきます」

山梨学院大を運営する学校法人「 C2C Global Education Japan」 は、弁護士ドットコムニュースの取材に「訴状が本法人へ届いておらず、詳細を把握できておりませんため、現時点でのコメントは差し控えさせて頂きます」と回答した。

また、今年5月に元留学生のハンナ・ベルクさんが、同じく留学生だった男性から性暴力を受けたとして起こした訴訟については「係争中の案件については、コメントを差し控えさせていただきます」とした。

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