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同じ系列の店だと誤解される!?「鳥貴族」VS「鳥二郎」裁判のポイントは?
2015年05月01日 11時09分

店のロゴデザインや内装、メニューなどをマネされたとして、焼き鳥チェーン「鳥貴族」(大阪市)が、後発の焼き鳥チェーン「鳥二郎」の運営会社(京都市)を相手取って、不正競争防止法にもとづき、デザインの使用差し止めと約6000万円の損害賠償を求める裁判を大阪地裁に起こした。

報道によると、提訴があったのは2月下旬。4月21日には、大阪地裁で第1回口頭弁論が開かれた。鳥貴族側は、鳥二郎の看板について、(1)「鳥」の字体にニワトリをイメージさせる図を使っている(2)配色も黄と赤で共通している(3)客が同系列の店と誤解するおそれがあると主張。さらに「メニューや店の内装、従業員の服装まで瓜二つ。鳥貴族を模倣したのは疑いない」と訴えている。

一方、訴えられた鳥二郎側は、(a)鳥二郎の「鳥」にはくちばしがある(b)鳥貴族の字体とは異なる(c)鳥貴族の看板は黄色がベースだが、鳥二郎は赤地で配色にも違いがあるなどと反論。「鳥貴族の内装やメニュー、従業員の服装は、ありふれたものだ」と主張しているという。

両社の看板を見比べてみると、たしかに似ていると言えば似ているし、違うといえば違うといえるだろう。訴訟のポイントは、どんなところにあるのか。知的財産の問題にくわしい岩永利彦弁護士に聞いた。

店のロゴデザインや内装、メニューなどをマネされたとして、焼き鳥チェーン「鳥貴族」(大阪市)が、後発の焼き鳥チェーン「鳥二郎」の運営会社(京都市)を相手取って、不正競争防止法にもとづき、デザインの使用差し止めと約6000万円の損害賠償を求める裁判を大阪地裁に起こした。

報道によると、提訴があったのは2月下旬。4月21日には、大阪地裁で第1回口頭弁論が開かれた。鳥貴族側は、鳥二郎の看板について、(1)「鳥」の字体にニワトリをイメージさせる図を使っている(2)配色も黄と赤で共通している(3)客が同系列の店と誤解するおそれがあると主張。さらに「メニューや店の内装、従業員の服装まで瓜二つ。鳥貴族を模倣したのは疑いない」と訴えている。

一方、訴えられた鳥二郎側は、(a)鳥二郎の「鳥」にはくちばしがある(b)鳥貴族の字体とは異なる(c)鳥貴族の看板は黄色がベースだが、鳥二郎は赤地で配色にも違いがあるなどと反論。「鳥貴族の内装やメニュー、従業員の服装は、ありふれたものだ」と主張しているという。

両社の看板を見比べてみると、たしかに似ていると言えば似ているし、違うといえば違うといえるだろう。訴訟のポイントは、どんなところにあるのか。知的財産の問題にくわしい岩永利彦弁護士に聞いた。

●「商標を盾にして戦うのは分が悪い」

「まず、訴えた鳥貴族の商標ですが、1995年8月に出願し、1997年10月に登録されたロゴ『鳥貴族』(第4074620号)が最も古い登録商標のようです。

一方、訴えられた鳥二郎の商標ですが、現在使用のロゴ『鳥二郎』について、2014年5月に出願し、2014年8月に登録になっています(第5698660号)。なお、それ以前は別のタイプのロゴだったようです」

岩永弁護士は「商標」の登録について説明する。どのような意味を持つのだろうか。

「商標とは、ほかの商品やサービスと『区別』するための制度です。

いずれの商標とも無事に登録されていますので、少なくとも特許庁は『商標自体は類似していない』と判断したことになります。

裁判所と特許庁は、異なる判断主体とはいえ、鳥貴族が、商標を大きく掲げた看板を盾にして戦うのは、少し分が悪いのではないかと思います」

●「訴えるなら今でしょ」――そのワケは?

では、看板のデザインだけでなく、店の内装やメニューなどが似ているという点は、どうなるのだろうか。

「ロゴや配色、メニュー、店構えといった要素を含んだ商品・サービスの全体的なイメージのことを講学上、『トレードドレス』(Trade Dress)と言うようです。

しかし、トレードドレスは、国によって保護の対象がバラバラで、はっきりした概念の定説はないと思います。

日本の不正競争防止法でも、広く認識されている商号や商標、商品の容器など(商品等表示)と、同一・類似のものを使用したりして、『他人の商品または営業と混同させる行為』を禁止しています。

過去には、『西松屋事件』(大阪地裁H21(ワ)6755号)において、ベビー服・子ども服の商品陳列デザインを、不正競争防止法の商品等表示として保護できるか議論になったこともありますが、なかなか難しいのが現実です」

では、なぜ鳥貴族は訴訟に踏み切ったと考えられるのか。

「これまでの常識だと保護されないようなものが『保護されるかもしれない』という判決が、つい最近、知財高裁で下されました。この判決は、工業製品のデザインが著作権法で保護されうるとしたものです。

現在、裁判所は保護の対象の拡大に非常に積極的なのではないかと思います。つまり、鳥貴族側からすれば、『訴えるなら今でしょ』というわけです」

岩永弁護士はこのように述べていた。

(弁護士ドットコムニュース)

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