7380.jpg
浮気旅行、宿泊先から自宅への「予約確認電話」で妻バレ&破局…施設側の法的責任は?
2017年11月25日 10時05分

予約した宿泊施設が、自宅に電話してきたことをきっかけに、妻に不倫がバレた。施設の責任を問いたいーー。弁護士ドットコムの法律相談コーナーに、こんな相談が寄せられた。

相談者は、妻にバレないよう、不倫相手との旅行を計画していた。会員制宿泊施設を予約したのだが、施設から「この度は、○月○日にご予約いただき、ありがとうございます」と予約確認の電話が自宅にかかってきたところ、電話をとったのは妻。不審に思った妻から問い詰められた結果、不倫が発覚してしまったという。その後、不倫相手とも破局した。

相談者は、宿泊施設の担当者が、自分に確認せずに本人以外の人に宿泊について伝えたことに怒り、担当者に責任を追及したいと考えている。不倫をバラしてしまう結果となった今回のようなケースはプライバシー権の侵害として、担当者の責任を問うことはできるのか。小沢一仁弁護士に聞いた。

予約した宿泊施設が、自宅に電話してきたことをきっかけに、妻に不倫がバレた。施設の責任を問いたいーー。弁護士ドットコムの法律相談コーナーに、こんな相談が寄せられた。

相談者は、妻にバレないよう、不倫相手との旅行を計画していた。会員制宿泊施設を予約したのだが、施設から「この度は、○月○日にご予約いただき、ありがとうございます」と予約確認の電話が自宅にかかってきたところ、電話をとったのは妻。不審に思った妻から問い詰められた結果、不倫が発覚してしまったという。その後、不倫相手とも破局した。

相談者は、宿泊施設の担当者が、自分に確認せずに本人以外の人に宿泊について伝えたことに怒り、担当者に責任を追及したいと考えている。不倫をバラしてしまう結果となった今回のようなケースはプライバシー権の侵害として、担当者の責任を問うことはできるのか。小沢一仁弁護士に聞いた。

●プライバシー権の侵害となるか?

「今回の相談は、宿泊施設の担当者の行為が不法行為(プライバシー権侵害)に当たるのかが問題になります。

ある情報がプライバシーに属すると言うためには、次の3つの要件をすべて満たす必要があります。

(1)私生活上の事実またはそれらしく受け取られるおそれのある事柄であること、

(2)一般人の感受性を基準にして当該私人の立場に立った場合公開を欲しないであろうと認められる事柄であること、

(3)一般の人々に未だ知られていない事柄であること

今回のケースでは、担当者が口外したのは、宿泊施設名と、予約日であると思われます。その場合、(1)と(3)はともかく、(2)を満たすかは疑問があります」

宿泊施設の責任を問うことは難しいのだろうか。

「不法行為が成立するには、故意又は過失が必要です。今回相談者は予約時に、自宅の電話番号を伝えています。しかし、自宅の電話であれば家族が電話に出ることは、相談者ご自身にとっても予測可能だったはずです。そのため、担当者は宿泊予約に関する情報を電話口に出た人物に伝えても構わないとの認識を持っていたと考えられます。

以上によれば、担当者には不法行為の故意又は過失がないと言え、不法行為は成立しないと思われます」

相談者が苦痛を感じているようだが、慰謝料の請求は難しいのだろうか。

「家族に予約日等を伝えられたことだけでは、通常相談者に精神的苦痛は生じないと思われます。不倫目的の宿泊かどうかは、担当者にとっても通常予測困難なことです。そのため、不倫が発覚したことで、相談者に精神的苦痛が生じたとしても、担当者の行為と因果関係はないと思われます。

今回のケースでは、相談者が担当者の責任を問うことはできないでしょう」

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る