7430.jpg
マスク不足なのに「つけろ」と指示された! 現場から「職場で用意して」の声
2020年02月26日 10時08分

新型コロナウイルスの感染拡大で、みなさんの生活にはどんな影響が出ていますか。弁護士ドットコムニュースのLINE登録者約1万人に尋ねたところ、もっとも多く寄せられたのが「マスクが足りなくて困っている」と言う声でした。

新型コロナウイルスの感染拡大で、みなさんの生活にはどんな影響が出ていますか。弁護士ドットコムニュースのLINE登録者約1万人に尋ねたところ、もっとも多く寄せられたのが「マスクが足りなくて困っている」と言う声でした。

●職場でマスク着用呼びかけ→手に入らない!

福岡県でコンビニを経営する男性は、コンビニ本部から従業員のマスク着用を呼びかけられたといいます。しかし、マスクは品薄で手に入らず、販売用として少しだけ納品されるものも一瞬で売り切れ。「従業員が買うのも忍びないため、どうして良いのかわかりません」と嘆いています。

ある公共施設で働く男性は、委託元からスタッフのマスク着用や利用客用の消毒用アルコール設置を依頼されました。

あくまで強制ではないと前置きはされたものの、男性は「立場が対等でない上に、委託元が用意もできないため、スタッフ個人がマスク購入することになります。これは依頼と見せかけた強制で、結果的に末端へのしわ寄せが起きています」と訴えます。

●マスク必須の現場に影響も

マスク不足は医療機関でも同じ状況のようです。大阪府の病院で看護師をしている20代女性は、病棟で使用するサージカルマスクの交換ができなくなりました。

新型コロナが流行する以前から、患者から看護師へ、また看護師から患者への感染を防ぐために、仕事中マスクの着用は必須でした。マスク不足となり、師長からマスクの中にガーゼを入れ、ガーゼだけを交換して使いまわすようアナウンスがあったそうです。

職場では「同じマスクでは感染のリスクがあるのでは」、「備蓄のマスクがなくなったら、各自で持ってこないといけないのか」など不満や疑問が出ていると言います。

また、金属加工の仕事をしている男性は、マスクが買い占められた結果、仕事で使う防塵マスクが10倍の値段で販売されています。「1日1枚使うのに1800円もかかったら、生活に支障が出ます」と訴えますが、「会社が用意するのは、中小企業なので厳しい」といいます。

●費用負担は使用者

このように職場で使用するマスクをめぐって、様々なトラブルが起きているようです。仕事で使う場合でも、個人でマスクを用意しなければならないのでしょうか。

労働問題にくわしい笠置裕亮弁護士は「使用者が労働者に対して業務命令としてマスクを着用しなさいと言う場合、その費用負担は使用者にあります」と話します。

「使用者には、労働者がその生命・身体などの安全を確保しながら働くことができるよう、必要な配慮をしなければならないという『安全配慮義務』があります。

使用者が職場においてコロナウイルスの感染拡大を防ぐ目的で、従業員にマスク着用を義務付けるのであれば、労働者が安全に働けるような対策をとる責任を負っているのは使用者である以上、使用者が費用負担をしなければなりません」

菅義偉官房長官は2月21日の会見で、「今週は週1億枚以上の供給が確保されている」と話していましたが、店では今も売り切れ状態が続いています。花粉症シーズンが近づき、マスク需要はさらに高まっていますが、安定して入荷されるのをしばらく待つしかないようです。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る