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衆院選で政党「支持政党なし」が10万票ーーなぜ「政策は一切なし」だったのか?
2014年12月15日 16時41分

12月14日に投開票が行われた衆院選は与党が現有議席を維持する結果となったが、比例代表の北海道ブロックでちょっとした異変が起きた。「支持政党なし」という風変わりな名前の政党が登場し、10万4854もの票を獲得したのだ(得票率4.2%)。議席には手が届かなかったが、社民党(5万3604票)や次世代の党(3万8342票)を上回った。

12月14日に投開票が行われた衆院選は与党が現有議席を維持する結果となったが、比例代表の北海道ブロックでちょっとした異変が起きた。「支持政党なし」という風変わりな名前の政党が登場し、10万4854もの票を獲得したのだ(得票率4.2%)。議席には手が届かなかったが、社民党(5万3604票)や次世代の党(3万8342票)を上回った。

●「支持政党なし」の主張とは?

この「支持政党なし」とは、いったいどんな政党なのか。北海道選挙管理委員会が配布した選挙広報によると、「党としての政策なし」と書いてある。その代わり、党のウェブサイトで個々の法案に対する賛否を問い、賛成多数なら賛成、反対多数なら反対を表明するのだという。つまり「皆様方の使者として議決権を行使しに行くだけ」と記している。

同党のウェブサイトには、佐野秀光代表のメッセージ動画も掲載されている。佐野代表は「みなさん、この支持政党なしという選択肢がほしくありませんか」と呼びかける。「いまの日本の選挙制度では、必ずどこかの政党に投票しなければなりません。支持政党なしとか、白票で出すと、すべて無効票になってしまいます」

このように述べたうえで、佐野代表は次のように語る。

「いまの政党支持率をみると、与党の自民党と並んで大変多いのが、『支持政党なし』という方の数なんです。しかし、この『支持政党なし』の方の投票先がいまはありません。これで本当に民意が、選挙で国政に反映できるでしょうか。やはり『支持政党なし』の方々の投票先が必要ではないでしょうか」

いわゆる無党派層の声をそのまま素直に代弁するために、「支持政党なし」という政党を作ったのだと、佐野代表は説明している。

そして、動画のなかでも、「支持政党なしは、政策は一切ございません」と強調。既成政党に投票すると、その政策の一部に反対だったとしても、一括して賛成したことになってしまうとして、「個別の法案ごとにみなさんの意思表示をしたくありませんか」と呼びかけている。

●政党名と知らずに投票してしまった有権者も・・・

今回の衆院選の比例・北海道ブロックで「支持政党なし」が10万票以上を獲得したのは、このような佐野代表の主張に共感した人が多かったからなのかもしれない。

だが、ツイッターには「不在者投票した人から見せてもらったけど既に騙されてた!wこれマジにヤバいわ(>_<)」といった投稿もある。どうやら、政党名だと知らず、「支持政党がない」という文字通りの意味に受け取って、投票してしまった人もいるようだ。

(弁護士ドットコムニュース)

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