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ネット検索の順位を上げる「SEO対策」 結果が出なかったら費用を返してもらえる?
2014年02月03日 18時03分

自社の商品やサービスをPRするために、ウェブサイトを開設する企業は多い。だが、せっかくサイトを開いても、誰も見にきてくれないのでは仕方がない。そこで重要になるのが、グーグルやヤフーなどで検索したときに、自分のウェブサイトを検索結果ページの上位に表示させる「SEO(検索エンジン最適化)」という対策だ。

世の中には、このSEOを専門に請け負う業者が多数あるが、契約者と業者とのトラブルも少なくないという。その多くは、「思うような結果が得られない」というものだ。検索結果は、広告と違い、お金さえ払えば優先的に上位に表示されるというものでもない。業者がどんなに「対策」を施しても、上位に表示されるとは限らないのだ。

ところが、なかには、サービスを売り込むときに、あたかも確実に成果が出るかのように強調したり、どのような手法で効果をあげようとするのか、しっかり説明しない業者もあるという。もし、専門業者にSEO対策を依頼して、思うような結果が出なかった場合、利用者は返金を請求できるのだろうか。川添圭弁護士に聞いた。

自社の商品やサービスをPRするために、ウェブサイトを開設する企業は多い。だが、せっかくサイトを開いても、誰も見にきてくれないのでは仕方がない。そこで重要になるのが、グーグルやヤフーなどで検索したときに、自分のウェブサイトを検索結果ページの上位に表示させる「SEO(検索エンジン最適化)」という対策だ。

世の中には、このSEOを専門に請け負う業者が多数あるが、契約者と業者とのトラブルも少なくないという。その多くは、「思うような結果が得られない」というものだ。検索結果は、広告と違い、お金さえ払えば優先的に上位に表示されるというものでもない。業者がどんなに「対策」を施しても、上位に表示されるとは限らないのだ。

ところが、なかには、サービスを売り込むときに、あたかも確実に成果が出るかのように強調したり、どのような手法で効果をあげようとするのか、しっかり説明しない業者もあるという。もし、専門業者にSEO対策を依頼して、思うような結果が出なかった場合、利用者は返金を請求できるのだろうか。川添圭弁護士に聞いた。

●準委任契約では「成果」は必須ではない

「SEO業者と依頼者との間の契約関係は、原則として『準委任契約(民法656条、同643条)』であると考えられます。

『仕事の完成』を約束する請負契約と違い、委任契約や準委任契約においては、一定の成果や実績を挙げることは、必須とはされていません。

したがって、SEOを依頼したものの、単に想定した成果が挙がらないという理由だけでは、契約の解除や損害賠償をすることは難しいと思われます」

それだけ聞くと、なんだかSEO業者に一方的に有利な気もするが、たとえば他の委任契約ではどうなのだろうか?

「たとえば、弁護士への委任契約でも、裁判での『勝訴判決』を保証することはできません。それと同じだとイメージしてもらえれば、分かりやすいかもしれません」

●業者が何のSEO対策もしなければ「債務不履行」になる

もし成果が必須ではないなら、SEO業者が負う義務とは、どんな内容なのだろうか?

「準委任契約を結んだ場合、SEO業者は委任事務、すなわち検索エンジンの順位を上げるために有効と考えられる措置を講じる義務があります。

そしてSEO業者は、依頼者から求められれば、いつでも遅滞なく委任事務の処理状況を報告しなければなりません(民法645条)。

つまり、SEO業者は依頼者から要求があれば、依頼者のサイトについてどのようなSEO対策措置を講じたのか、その措置によりどんな効果があったかを、詳細に報告しなければならないとは言えます」

もし業者がそうした義務に違反していた場合、お金を返してもらうことも可能なのだろうか?

「たとえば、業者が、SEOに有効な具体的措置を何ら講じていなかったというような事例なら、準委任契約の前提となる委任事務をそもそも遂行していないわけですから、業者の債務不履行となります。

したがって、依頼者は債務不履行に基づく契約を解除することができますし、少なくとも契約費用相当額の損害賠償を求めることができるでしょう」

川添弁護士は続けてこう述べる。

「また、Googleなどの検索エンジンでは、SEOとして行ってよい行為と、望ましくない行為についてのガイドラインを公開しています。そして、ガイドラインに違反する行為については検索結果の順位を下げたり、検索結果から消去したりするなどのペナルティを科しているようです。

そのため、仮にSEO業者がガイドライン違反に該当するような行為を行っていたような場合も、今後の当該サイトの信用に影響することから、債務不履行責任を問いうるのではないかと考えます」

つまり、SEO業者がガイドライン違反を行ったせいで検索順位を下げてしまったようなケースでも、業者の責任を問える可能性が出てくるのだろう。

●依頼する側も「SEOの基礎知識」を持っていたほうが良い

こうした特徴を念頭においた場合、SEO業者と契約をする際には、どのような点に気をつけたら良いのだろうか? 川添弁護士は次のようなアドバイスを送っていた。

「SEOの難しいところは、業者の対策と全く関係なく、検索順位が変動することもある点です。また、SEO業者が何のSEO対策もしていないのに、もっともらしい報告書を依頼者へ作成・提出している事例もあるようです。そのため、SEO業者の債務不履行を立証することは、比較的難しいというのが実情です。

したがって、SEO業者との契約に際しては、その業者がどのような措置を講じる予定であるのかについて十分な説明を受け、事前にそれを吟味したうえで、契約締結を決断するべきだと言えます。これは、SEO業者が提出する報告書の嘘を見抜くためにも重要です。

そのためには、依頼者も、SEOに関する基本的な知識は持っておくことが望ましいと言えるでしょう」

(弁護士ドットコムニュース)

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