7607.jpg
合意の上で同時交際「ポリアモリー」、既婚者や子持ちも…一夫一婦制に反しないの?
2018年01月04日 10時07分

離婚リスクを劇的に上げる、愛人や隠し子の存在。しかし、もしもそれが全員の合意に基づいていたとしたら、どうなるのでしょうか。

たとえば、一児がいるAさんとBさん夫妻がいるとして、Aさんが別にCさんやDさんとも交際しているという場合。Aさんが、Bさんを含めた3人と関係を持っていることは全員許容しているとしたらーー。

近年は、パートナー以外にも複数の交際相手を持つ、「ポリアモリー」という概念も知られるようになりました。実際に、配偶者や子どもがいても、全員の同意を得て、複数人と交際する人がいます。

現行法上、ポリアモリーによって、起こり得る法的問題を田中真由美弁護士に聞きました。

離婚リスクを劇的に上げる、愛人や隠し子の存在。しかし、もしもそれが全員の合意に基づいていたとしたら、どうなるのでしょうか。

たとえば、一児がいるAさんとBさん夫妻がいるとして、Aさんが別にCさんやDさんとも交際しているという場合。Aさんが、Bさんを含めた3人と関係を持っていることは全員許容しているとしたらーー。

近年は、パートナー以外にも複数の交際相手を持つ、「ポリアモリー」という概念も知られるようになりました。実際に、配偶者や子どもがいても、全員の同意を得て、複数人と交際する人がいます。

現行法上、ポリアモリーによって、起こり得る法的問題を田中真由美弁護士に聞きました。

●それぞれの関係は法律的に保護される?

――パートナーの同意があれば、結婚後もほかの異性や同性と関係を結んでいいのでしょうか?

夫婦間の貞操義務について、同意があれば義務が免除されると考えられます。了解を得られれば他の異性、同性との性交渉は許されると考えられます。

――仮に同意があったとしても、後で訴えられたら分が悪くならないでしょうか。また、同意が「公序良俗に反する」として無効になることはないでしょうか?

同意があっても、言った言わないの問題になりかねないので、同意書などを作成した方がよいでしょう。貞操義務の免除をするかどうかは私的な問題と言えるので、免除すること自体について公序良俗に反すると判断されることはないと思われます。

ただ、貞操義務の免除を、金銭給付を条件とする場合などその他の事情によっては、合意が公序良俗に反する場合も出てくる可能性があります。

――婚姻関係のないAさんとCさん、Dさんとの関係は法的な保護を受けられるのでしょうか?

法的保護は原則として及びません。単に性的な関係があるだけでは、内縁(事実婚)とは言えません。AとCまたはDの生活実態が夫婦同然ということであれば、内縁としての保護が考えられます。

――ということは、相続や子どもができたときの養育費などは請求できないのでしょうか?

相続は認められず、婚姻費用(生活費)は請求できません。子どもができた場合、認知すれば法律上の親子として養育費は請求できます。

なお、内縁の場合は、婚姻費用を請求できます。また、認知請求において嫡出推定の規定が類推適用され、内縁の夫の子であるということが推定されます。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る