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裏切りの「二拠点生活」良きパパは、愛人と同棲 妻が怯える離婚へのカウントダウン
2019年06月29日 09時15分

愛人と同棲しながら、週末は家族と過ごすーー、そんな二拠点生活を送る夫。妻が「離婚したくない」と、弁護士ドットコムに相談を寄せました。

女性は2カ月前、夫に「2年前から交際している女性がいる」と打ち明けられました。夫は通勤時間の長さを理由に、2年前から会社の近くにアパートを借り、平日はアパートで生活、週末は自宅に戻っており、妻は異変に気づかなかったそうです。

相手の女性も、既婚者でした。ところが、相手の夫に関係がバレ、夫は慰謝料も請求されています。相談者は「相手夫婦は別居することが決まっています。夫は私と離婚するつもりはないそうですが、相手の女性と同棲し、子どもたちにバレないように二重生活をするつもり」だと言います。

相談者は二拠点生活を受け入れ、離婚するつもりはありません。しかし、仮に夫が離婚を望んできた場合、応じなければいけないのでしょうか。離婚問題に詳しい村上真奈弁護士に聞きました。

愛人と同棲しながら、週末は家族と過ごすーー、そんな二拠点生活を送る夫。妻が「離婚したくない」と、弁護士ドットコムに相談を寄せました。

女性は2カ月前、夫に「2年前から交際している女性がいる」と打ち明けられました。夫は通勤時間の長さを理由に、2年前から会社の近くにアパートを借り、平日はアパートで生活、週末は自宅に戻っており、妻は異変に気づかなかったそうです。

相手の女性も、既婚者でした。ところが、相手の夫に関係がバレ、夫は慰謝料も請求されています。相談者は「相手夫婦は別居することが決まっています。夫は私と離婚するつもりはないそうですが、相手の女性と同棲し、子どもたちにバレないように二重生活をするつもり」だと言います。

相談者は二拠点生活を受け入れ、離婚するつもりはありません。しかし、仮に夫が離婚を望んできた場合、応じなければいけないのでしょうか。離婚問題に詳しい村上真奈弁護士に聞きました。

●二重生活は「完全な別居」とは言えない

「夫から離婚を求められたとしても、離婚に応じる必要はありません。夫は離婚の原因を作った『有責配偶者』にあたります。有責配偶者からの離婚請求は、長期間の別居、未成熟子がいない、相手方が苛酷な状況に陥らないなどの厳しい条件が満たされないと認められないとする最高裁判例があります」

条件は厳しいのですね。ただ、その条件をクリアしたらどうでしょうか。

「今後、相談者夫婦が完全に別居することになり、子どもたちも成長し、相談者も苛酷な生活を強いられない状況になれば、離婚が認められる可能性も出てきます。しかし、それはかなり先の話です。二重生活が続く間は、完全な別居とも言えませんし、夫からの離婚請求は認められづらいでしょう」 

●長期間の別居後、慰謝料請求はできる?

別居期間が長くなった後、離婚に応じることにした場合、相談者は夫と相手女性に不倫を理由として慰謝料を請求できるのでしょうか。

「不貞以外の離婚原因がないケースを前提として回答します。慰謝料には『離婚に伴う慰謝料』(離婚したこと対する慰謝料)と『不貞慰謝料』(不貞行為をされたことに対する慰謝料)の2つがあります。どちらの慰謝料も損害及び加害者を知ったときから3年で時効は消滅します(民法724条)。

まずは夫に対する請求についてみていきましょう。『離婚に伴う慰謝料』の時効は離婚時から進行します。ですので、不貞発覚から3年以上経っていても、離婚から3年以内であれば、基本的には、慰謝料請求できます。 

一方、『不貞慰謝料』は、不貞行為が継続していれば、3年以上経っていても請求はできます。しかし、3年を経過した部分は時効にかかりますので(他説もあり)、慰謝料額が減額される可能性があります。不貞関係が終わり、既に3年経過していれば慰謝料請求はできません」

●「離婚に伴う慰謝料」原則、請求できない

次に、相手女性に対する請求はどうなりますか。

「今年2月に、最高裁が新たな判例を出して、不貞相手に対する『離婚に伴う慰謝料』は原則請求できないとする判断をしました。したがって、相手女性に離婚に伴う慰謝料を請求することはできないのが原則です。

一方、『不貞慰謝料』は、夫に対する考え方と同じです。不貞が継続していれば、請求できる可能性が高いですが、不貞が止まって3年経過すると時効により認められなくなります」

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