7776.jpg
高島屋の崩れた「クリスマスケーキ」、返金だけじゃなく「慰謝料」まで求められる?
2023年12月25日 16時55分
#高島屋

大手百貨店「高島屋」のオンラインストアで販売されていた一部のクリスマスケーキが崩れて届いた――。複数の購入者がぐちゃぐちゃに崩れたケーキの写真をSNSにアップし「二度と買わない…」と悲痛な声を上げている。

高島屋は公式オンラインサイトで謝罪。一部報道によると、崩れたケーキは高島屋がオンラインストアで予約販売したうち、レストランが監修して別の菓子メーカーが作った(5400円)もので、本来は冷凍で配送されたという。

購入者に返金などの対応をするというが、思わぬ形でクリスマスの大切な日を台無しにされたショックは大きいに違いない。

特別な日に特別なクリスマスケーキを食べられないだけでなく、ぐちゃぐちゃのケーキを見せられたショック…。返金や取り替えだけでなく、慰謝料などの対応を求めることはできるのだろうか。西口竜司弁護士に聞いた。

大手百貨店「高島屋」のオンラインストアで販売されていた一部のクリスマスケーキが崩れて届いた――。複数の購入者がぐちゃぐちゃに崩れたケーキの写真をSNSにアップし「二度と買わない…」と悲痛な声を上げている。

高島屋は公式オンラインサイトで謝罪。一部報道によると、崩れたケーキは高島屋がオンラインストアで予約販売したうち、レストランが監修して別の菓子メーカーが作った(5400円)もので、本来は冷凍で配送されたという。

購入者に返金などの対応をするというが、思わぬ形でクリスマスの大切な日を台無しにされたショックは大きいに違いない。

特別な日に特別なクリスマスケーキを食べられないだけでなく、ぐちゃぐちゃのケーキを見せられたショック…。返金や取り替えだけでなく、慰謝料などの対応を求めることはできるのだろうか。西口竜司弁護士に聞いた。

●返金は求められるが、慰謝料請求のハードルは高い

——責任の所在が不明確ではありますが、SNS上では、高島屋側に返金や取り替えを求めることは可能ですか

今回のケースをテレビの報道でみたとき、「何だかなあ」という気持ちで一杯になりました。ご家族や大切な人などのために、わざわざ高級なケーキを注文して楽しみにされていたことを思うと、適切な対応をしてほしかったと思います。

今回の問題について、法的な観点から解説すると、基本的には、お金でしか解決できないことは断りを入れたいと思います。

客とケーキの売買契約を結んだ髙島屋側は、注文通りのケーキをきちんと客に届ける義務を負っています。しかし残念ながら、一部の客に崩れたケーキが届いてしまったようです。

法的には債務不履行が発生しているといえるので、客側は、高島屋に取り替えを要求できます。

ただし、ケーキはクリスマスに食べることを前提に注文しているので、取り替えを求めない人もいると思われます。その場合、売買の契約を解除して、返金してもらうことになります。

——それ以上の対応はどこまで求められますか

ここまでが通常の対応と言えますが、ここからが問題です。

返金のみならず、さらに慰謝料などを請求できるかというと、法的には非常に難しいところです。何をもって精神的苦痛か判断できず、損害があると判断できないからです。

結局、客としては、支払った代金の返還の請求を求めることになります。

もちろん、高島屋としては、客の信頼を損ない、大々的に報道もされてしまったわけですから、客に丁寧な謝罪をすると同時に、何らかのお詫びの印(商品等)を送付するといった対応が考えられます。

失ってしまった信頼の回復は難しいですが、頑張ってもらうしかありません。再発防止策の提示も大事です。

ただし、最近の物流業界の人手不足といった問題も背景にありそうなので、難しい問題だと思います。ドライバーのみなさま、いつもありがとうございます。

ちなみに、私は12月24日にクリスマスケーキをいただきました。馴染みの店に直接頼んで持ち帰ったので、崩れていませんでした。ただ、ガツガツ食べてしまったので、すぐにケーキはなくなってしまいましたが。今後、今回のようなケースがないことを祈るばかりです。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る