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そもそも「裏口入学」自体は犯罪? 東京医大「贈収賄」で文科省の前局長起訴
2018年07月27日 09時58分

文部科学省の私立大学支援事業をめぐって、東京医科大に便宜をはかる見返りに、自分の子どもを不正合格させたとして、文部科学省の前局長が7月下旬、受託収賄の疑いで、東京地検特捜部に起訴された。贈賄の疑いで、東京医大の前理事長と前学長が在宅のまま起訴された。

報道によると、前局長は2017年5月、東京医大の理事長(当時)から、私大支援事業の対象校に選ばれるよう申請書の書き方を助言してほしいと依頼を受けた。その見返りと知りながら、今年2月、自分の息子が同大を受験した際、点数加算で合格させてもらった疑いが持たれている。前局長は否定しているという。

東京医大では、点数を操作して不正合格させる受験生の氏名を記したリストが作られていた、と報じられている。毎年10〜20人の受験生の得点が加算されていたという。前代未聞の「裏口入学」事件として注目をあつめている。

そもそも、裏口入学はどんな罪に問われるのだろうか。伊藤諭弁護士に聞いた。

文部科学省の私立大学支援事業をめぐって、東京医科大に便宜をはかる見返りに、自分の子どもを不正合格させたとして、文部科学省の前局長が7月下旬、受託収賄の疑いで、東京地検特捜部に起訴された。贈賄の疑いで、東京医大の前理事長と前学長が在宅のまま起訴された。

報道によると、前局長は2017年5月、東京医大の理事長(当時)から、私大支援事業の対象校に選ばれるよう申請書の書き方を助言してほしいと依頼を受けた。その見返りと知りながら、今年2月、自分の息子が同大を受験した際、点数加算で合格させてもらった疑いが持たれている。前局長は否定しているという。

東京医大では、点数を操作して不正合格させる受験生の氏名を記したリストが作られていた、と報じられている。毎年10〜20人の受験生の得点が加算されていたという。前代未聞の「裏口入学」事件として注目をあつめている。

そもそも、裏口入学はどんな罪に問われるのだろうか。伊藤諭弁護士に聞いた。

●裏口入学が犯罪にあたるかどうかは「イエス・ノー」で答えられない

「今回の事件は、東京医大の前理事長らが『賄賂』として文部科学省の前局長の息子の裏口入学を提供して、同前局長がその見返りとして私大支援事業の対象校に選ばれるよう便宜を図ったということが疑われているものです。

つまり、今回の事件では、裏口入学は『賄賂』として使われているだけであって、裏口入学そのものを犯罪として取り上げているわけではありません。

裏口入学そのものが犯罪にあたるかというと、単純に『イエス・ノー』で答えられる問題ではありません」

●国立大学法人と私立大学で結論が変わる可能性

「裏口入学とは、一般に賄賂や縁故などを用いて、不正な手段で入学することと言われています。

国立大学法人の場合、その職員は国立大学法人法で、『みなし公務員』とされているため、入学事務について受験生やその父兄から依頼を受けて賄賂を受け取れば、受託収賄罪(7年以下の懲役または禁錮)、実際に入学試験において便宜を図った場合は、加重収賄罪(1年以上20年以下の懲役)に問われる可能性があります」

私立大学の場合はどうなるのだろうか。

「私立学校の場合、入学にあたって寄付金を求めることがあったり、その学校卒業生の子女等を事実上評価の基準に入れていたりと、その線引きは非常にあいまいです。

少なくとも私立学校においては、入学者の選抜には一定の学校の裁量があり、犯罪にあたらないケースがほとんどだと考えられます。

そうはいっても、昨今の入学試験の出題や採点ミスの問題もあり、入試過程においてはこれまで以上に透明性が求められています。文科省が通知している『平成31年度大学入学者選抜実施要項』においても、国公私立の区別なく『各大学は、入試に関する研究委員会を設け、入学者の追跡調査等による、選抜の妥当性・信頼性の検証を行い、その成果を入試に反映させることが望ましい』と記載されています」

(弁護士ドットコムニュース)

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