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「まさにブラックバイト」仙台の飲食店で賃金未払い――学生が「労働審判」申し立て
2015年11月18日 14時10分

アルバイトをしていたのに賃金が支払われず、店の赤字の補てんまでさせられたとして、仙台市の大学生が11月18日、同市青葉区のダイニングバーの経営者を相手取り、未払い賃金など計約200万円の支払いを求める労働審判を仙台地裁に申し立てた。

大学生は2014年4月中旬、週3日勤務の約束で、ダイニングバーのアルバイトを始めたが、同年8月ごろから、ほぼ毎日の出勤を求められるようになった。その後、大学の授業や試験に支障をきたして、その年次の単位の半分ほどを落としたという。

また、同年9月、時給制から歩合制への変更を一方的に言い渡され、その結果、賃金が支払われなくなった。また、赤字補てんの名目で金銭を要求されて、今年2月下旬に退職するまでに計10万円を払ったという。

アルバイトをしていたのに賃金が支払われず、店の赤字の補てんまでさせられたとして、仙台市の大学生が11月18日、同市青葉区のダイニングバーの経営者を相手取り、未払い賃金など計約200万円の支払いを求める労働審判を仙台地裁に申し立てた。

大学生は2014年4月中旬、週3日勤務の約束で、ダイニングバーのアルバイトを始めたが、同年8月ごろから、ほぼ毎日の出勤を求められるようになった。その後、大学の授業や試験に支障をきたして、その年次の単位の半分ほどを落としたという。

また、同年9月、時給制から歩合制への変更を一方的に言い渡され、その結果、賃金が支払われなくなった。また、赤字補てんの名目で金銭を要求されて、今年2月下旬に退職するまでに計10万円を払ったという。

●赤字補てんのために「ギター」を質に入れた

「大学生は、(1)基本給・残業代を合わせた未払い賃金の支払い(2)『赤字補てん』名目で支払わせられたお金の返還(3)慰謝料の支払い、の3点を求めています」

大学生の代理人をつとめる太田伸二弁護士は、このように語る。具体的に、どのような実態があったのだろうか。

「(1)については、基本給が2014年9月から支払われていませんでした。また、残業代は働き始めた同年4月から一切支払われていません。

また、(2)については、ダイニングバーの経営者が『店の赤字分』を払うよう、大学生に求めていました。請求を受けた金額の合計は約200万円で、退職するまでに10万円を払わせられました。

大学生はその支払いのために、親や友だちにお金を借りたり、原付バイクを売ったり、大切にしていたギターを質に入れたりしなければなりませんでした。

そして(3)ですが、大学生は今年1月ごろから、胸ぐらをつかんで殴るなどの暴力を受けたり、『何やってんだ』『それで売上が取れると思っているのか』『赤字になったら絶対お前から取るぞ』などの暴言を吐かれたりしていました」

●「ブラックバイト問題は深刻化している」

労働審判の申し立てに踏み切ったポイントはなんだろうか。

「この大学生の労働実態は、まさに『ブラックバイト』というほかないものです。ブラックバイトとは、学生であることを尊重しないようなアルバイトを指します。

大学生は追いつめられていたにも関わらず、アルバイトをやめることを躊躇していました。しかし、ブラックバイト問題に取り組む労働組合『仙台学生バイトユニオン』に相談し、支援を受ける中で勇気を奮ってこのたびの申立てを決断しました。

このようなブラックバイト問題は深刻化しています」

どういう背景があるのだろうか。

「次のような背景があると考えています。

(a)仕送りが少なく、アルバイトをしなければ学業が継続できない学生が増えたこと

(b)非正規労働者に重要な役割を担わせ、彼らがいなければ経営が成り立たないような店が増えたこと

こうした理由のために、違法な労働条件でも学生たちがアルバイトをやめられない状況に追い込まれているのです」

今後、どのような対策が求められるのだろうか。

「厚労省は、この問題に取り組みを始めたところですが、大学などの教育機関も含めた全体的な取り組みが必要となります。

また、実際にブラックバイトの被害を受けている学生は、ユニオン(労働組合)等に相談をしていただきたいと思います」

(弁護士ドットコムニュース)

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