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視覚障がい者の元女性職員、日本盲導犬協会を提訴「差別的なあつかい受けた」
2019年02月06日 17時03分

盲導犬の普及、育成活動をおこなっている公益財団法人「日本盲導犬協会」(井上幸彦理事長)で、有期雇用の契約職員として働いていた視覚障がいのある女性(40代)が2月6日、職場で差別的なあつかいをされて、精神的苦痛を受けたとして、同協会を相手取り、慰謝料など計1100万円の支払いを求めて、東京地裁に提訴した。

盲導犬の普及、育成活動をおこなっている公益財団法人「日本盲導犬協会」(井上幸彦理事長)で、有期雇用の契約職員として働いていた視覚障がいのある女性(40代)が2月6日、職場で差別的なあつかいをされて、精神的苦痛を受けたとして、同協会を相手取り、慰謝料など計1100万円の支払いを求めて、東京地裁に提訴した。

●専用の机が用意されず

訴状などによると、視覚障がいのある原告の女性は2015年4月、有期契約の職員として日本盲導犬協会に入り、神奈川訓練センターに勤務した。2018年3月に雇い止めになるまで、契約上は、ほかの職員と同じ一般業務をおこなうものとされていたが、実際は、募金活動のデモンストレーター業務だけが割りあてられていた。

また、職場に専用の固定机が用意されておらず、出社するたびに当日休んでいる職員の席をさがすことを強いられていたほか、業務用のパソコンに、視覚障がい者用の読み上げソフトをセットアップしてもらえなかったり、仕事で知り合った外部の人と社会関係を結ぶことも許してもらえなかったりしていたという。

女性は、繰り返し改善をもとめたが、協会側に受け入れられなかったとしている。現在、ストレスなどにより、うつ状態に陥っており、こうした職場でのあつかいが、障がい者雇用促進法や、障がい者差別解消促進法などが禁止する「不当な差別的取扱い」と「合理的配慮原則義務」の違反にあたる、と主張している。

●女性「すごく悔しい」「団体に変わってほしい」

女性はこの日の提訴後、東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開いた。女性は「今からすれば、すごく悔しい」と振り返った。「(日本最大級の)日本盲導犬協会は、ほかの団体の見本にならないといけない。非常に強い憤りを感じている。団体に変わってほしい」と話した。「現場のスタッフは、誠意と熱意と責任感をもって働いている」と付け加えた

日本盲導犬協会は、弁護士ドットコムニュースの取材に「この件は弁護士と相談の上で先方と話し合いをしており、弁護士からは違法な点はないとの回答を得ています。突然の提訴に驚いています。訴状を見てから詳細に検討します」と回答した。

(弁護士ドットコムニュース)

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