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今や絶滅危惧種?電車内の雑誌を回収する「網棚おじさん」、勝手に取って大丈夫?
2023年04月28日 10時40分

東京都内のIT企業で働くカズキさん(40代)は、朝の通勤電車内で「以前よく見かけた光景」を目撃しました。

乗客の男性が電車内の網棚(荷棚)にあった雑誌を取って、持っていた大きな袋に入れていました。袋の中には他にも雑誌が複数あったといいます。

「昔は網棚の雑誌や新聞を『回収』する人が珍しくなかったですが、最近はスマホを見る人ばかりなので、そういう光景を全然見かけなかったんですけどね。そういえば路上で安価で雑誌を売るおじさんもいなくなりましたね…」(カズキさん)

久々に見かけた郷愁に駆られながらも「網棚の雑誌を持っていくのは犯罪にならないのかな」と思ったそうです。不要だからと網棚に置いていかれた雑誌は、他人が持っていっても問題ないのでしょうか。冨本和男弁護士に聞きました。

東京都内のIT企業で働くカズキさん(40代)は、朝の通勤電車内で「以前よく見かけた光景」を目撃しました。

乗客の男性が電車内の網棚(荷棚)にあった雑誌を取って、持っていた大きな袋に入れていました。袋の中には他にも雑誌が複数あったといいます。

「昔は網棚の雑誌や新聞を『回収』する人が珍しくなかったですが、最近はスマホを見る人ばかりなので、そういう光景を全然見かけなかったんですけどね。そういえば路上で安価で雑誌を売るおじさんもいなくなりましたね…」(カズキさん)

久々に見かけた郷愁に駆られながらも「網棚の雑誌を持っていくのは犯罪にならないのかな」と思ったそうです。不要だからと網棚に置いていかれた雑誌は、他人が持っていっても問題ないのでしょうか。冨本和男弁護士に聞きました。

●「窃盗罪」「遺失物等横領罪」ありうるが…「犯罪にならない可能性も」

雑誌の持ち主が網棚に置き忘れただけということであれば、持ち主の雑誌に対する財産的利益(所有権ないし占有)を侵害することになりますので、窃盗罪(刑法235条)や遺失物等横領罪(同254条)に問われる可能性があると考えます。

窃盗罪は、占有者の意思に反して他人の占有を奪った場合に成立する犯罪で、「10年以下の懲役または50万円以下の罰金」になる可能性があります。

遺失物横領罪は、占有者の意思に基づかずに占有者の占有を離れた物を横領した場合に成立する犯罪で「1年以下の懲役または10万円以下の罰金もしくは科料」になる可能性があります。

持ち主が網棚に置き忘れたことを覚えていて、まだ近くにいるときに持っていった場合は「窃盗罪」、持ち主が網棚に置き忘れてその場から離れ、かなり時間が経ってから持っていった場合は「遺失物横領罪」になる可能性があります。

しかし、雑誌が電車内の網棚に捨てられたもので、電車の運送事業者による回収・再利用も予定されていないということであれば、持ち主がいない物であって誰の財産的利益も侵害しませんので、何ら罪に問われないと考えます。

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