8425.jpg
夫の不倫相手「私、慰謝料支払わないので」と開き直り、強制執行はできる?
2018年01月18日 09時38分

せっかく裁判で慰謝料の支払いが命じられても、相手が「私、支払わないので」と応じない場合、どう対応するべきか。夫の不倫相手に対して慰謝料を請求する訴えを起こしている女性が、弁護士ドットコムの法律相談コーナーに「具体的な強制執行の方法を教えて」と質問を寄せた。

相談者によると、夫の不倫相手の女性は「慰謝料を支払うよう判決が出ても一切払わない」と明言している。そこで相談者は「具体的に、強制執行の方法を教えてください」と聞くが、不倫の慰謝料請求でも強制執行をすることは可能なのか。また強制執行をするとして、具体的にどのように進めればよいのか。萱垣建弁護士に聞いた。

せっかく裁判で慰謝料の支払いが命じられても、相手が「私、支払わないので」と応じない場合、どう対応するべきか。夫の不倫相手に対して慰謝料を請求する訴えを起こしている女性が、弁護士ドットコムの法律相談コーナーに「具体的な強制執行の方法を教えて」と質問を寄せた。

相談者によると、夫の不倫相手の女性は「慰謝料を支払うよう判決が出ても一切払わない」と明言している。そこで相談者は「具体的に、強制執行の方法を教えてください」と聞くが、不倫の慰謝料請求でも強制執行をすることは可能なのか。また強制執行をするとして、具体的にどのように進めればよいのか。萱垣建弁護士に聞いた。

●弁護士解説のポイント

・不倫の慰謝料請求でも強制執行はできる

・差押えの対象は預金、不動産、車など

●「不倫の慰謝料請求でも強制執行は可能」

「結論から言えば、不倫の慰謝料請求でも強制執行(差押え)は可能です」

具体的に、どのように手続きを進めるのだろうか。

「今回質問を寄せた相談者は現在、慰謝料請求の裁判中とのことです。勝訴の判決が出されたら、相手方が判決を受け取ってから2週間経過すると、その判決は確定します。その後、この判決が確定したという『確定証明書』を裁判所から取り寄せます。判決が確定したかどうかは裁判所に問い合わせれば教えてくれます。ここまでで、強制執行の準備が整ったと言えます」

差押えの本番はどう進むのか。

「そうです。ここからが本番ですね。では、何を差押えるか。現金だけではありませんので、いくつか例をあげます。

・相手方名義の預金口座(口座の種類・番号は分らなくて良いですが、銀行名、支店名は把握する必要があります)

・相手方名義の車(登録事項等証明書で名義を確認する必要があります)

・給料(手取額の4分の1、手取額が33万円を超える部分についての全額、そのどちらか多い方)

・生活用品以外の高級家具などの動産類

・家や土地などの不動産

これらを差押えることができます。不動産の差押えの場合、すぐにお金の回収はできませんが、相手方は売却することが困難になります。

なお、判決がでる前に、相手方が差押えに備えて、預金口座の残高を少なくしておくこともあります。そのようなことが想定されるのでしたら、訴訟前に、仮の差押さえの手続きをすることを考慮しても良いでしょう。これが認められると相手方はお金を引き出せなくなるからです」

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る