8705.jpg
ある男子学生「専業主夫になりたいけど・・・」 税金や保険は「専業主婦」より不利?
2015年07月29日 11時28分

「専業主夫になりたい」。そんな思いをつづった20歳の男子大学生の日記が、「はてな匿名ダイアリー」で話題になった。

投稿者は「僕は家事がとても好きだし、おそらく専業主夫に向いてると自分で思う」という。ただ、「(女性は)専業主婦ルートが綺麗に舗装されていると思う。だけど、男にはそれがない」と考えているそうだ。「共働きでパートナーを助けるって感じが現実的なのだろうか」と述べていた。

この投稿者は、専業主「婦」に比べて、専業主「夫」のほうが不利だと考えているようだが、税金や社会保障などはどうなのだろうか。主夫のほうが不利だったりするのだろうか。益田あゆみ税理士に聞いた。

「専業主夫になりたい」。そんな思いをつづった20歳の男子大学生の日記が、「はてな匿名ダイアリー」で話題になった。

投稿者は「僕は家事がとても好きだし、おそらく専業主夫に向いてると自分で思う」という。ただ、「(女性は)専業主婦ルートが綺麗に舗装されていると思う。だけど、男にはそれがない」と考えているそうだ。「共働きでパートナーを助けるって感じが現実的なのだろうか」と述べていた。

この投稿者は、専業主「婦」に比べて、専業主「夫」のほうが不利だと考えているようだが、税金や社会保障などはどうなのだろうか。主夫のほうが不利だったりするのだろうか。益田あゆみ税理士に聞いた。

●税金の面では、変わらない

「税金の面では、専業主夫が、専業主婦に比べて特に不利になることはありません」

益田税理士はこのように述べる。

「みなさんがよく知っている配偶者控除は、正式な婚姻関係がある夫婦であることが要件ですので、男性・女性であることは関係ありません。

妻が働き、夫が家事をする場合でも、夫の所得が38万円以下であれば、配偶者控除を妻のほうで受けることができます。

ただし、所得の判定には、副業分も計算に含めますので、夫が株の投資をしているケースなどは注意が必要です。

また、妻が個人事業主で、夫が妻の下で仕事を手伝うというケースもあるでしょう。その場合、専従者給与として給与をうけるのか、配偶者控除の控除をうけるのかは、どちらか一方を選択することになります」

●遺族厚生年金では、夫と妻で扱いが異なることも

「社会保険でも、原則的には、専業主夫が不利になるということはありません。こちらも金額基準はありますが、妻の扶養として保険証を手にすることが可能です。

ただ、将来的なことを考えると、遺族に支給される年金(遺族厚生年金)で、妻と夫で異なることがあります。厚生年金に加入中の妻が死亡した場合、遺族厚生年金は、夫が原則55歳以上でなければ受給できません。また、支給開始は60歳からとなります。妻の場合、こうした年齢による受給制限はありません。

ただ、これは、制度が変更になるかもしれませんので、今後の動向に注意されるといいでしょう」

専業主夫について、どう考えるべきだろうか。

「私の周りでも『専業主夫』の家庭が存在しています。働き方が多様化しているので、夫婦や家庭の在り方も様々でいいと思います。

ただ、夫婦でよく話し合い、理解し合うことが大事だと思います。たとえば、仕事ばかりで家庭をかえりみない妻であれば、夫も不満が出るかもしれません。

『専業主婦がいい』とか『専業主夫がダメ』という問題ではないのかと思いますね。とはいえ、家族分の収入を稼ぐというのは本当に大変なことです。

私自身、働いて家族を養った時期があったことを思い出しました。『家族の分も稼ぐって本当に大変だな~』と感じたことがありますね」

益田税理士はこのように述べていた。

【取材協力税理士】

益田あゆみ(ますだ・あゆみ)税理士

東京都生まれ。高卒。通称“セラピスト税理士”。税理士業界にメンタルサポートを取り入れ、女性経営者の抱える悩みにこたえる経営相談を行っており、クライアントには女性起業家も多い。米国会計事務所に勤務経験があり、アメリカ税務の相談にも応じている。

事務所名 :益田税理士事務所

事務所URL:http://ayumi-office.com/

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る