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安倍首相夫人・昭恵さん「私は、自分の頭でものを考えていなかった」
2014年06月23日 13時30分

安倍晋三首相夫人の昭恵さんが6月19日、東京・永田町の衆議院第一議員会館で開かれた「18歳選挙権を考えるシンポジウム」に出席し、スピーチをおこなった。

昭恵さんは「政治家の妻」として選挙にかかわってきたが、長い間「主人が言っていることが正しいと思っていて、自分の頭でものを考えていなかった」と述懐。50歳を目前にしてそのことに気づき、「言いたいことは言おう」と考えるようになったと話した。

さらに、日本の学校教育に疑問を感じたことをきっかけとして、中学2年生のときに起業した女子生徒のエピソードを紹介しながら、シンポジウムに参加した高校生たちに向かって、「自分の頭で考えることの大切さ」を訴えた。

安倍晋三首相夫人の昭恵さんが6月19日、東京・永田町の衆議院第一議員会館で開かれた「18歳選挙権を考えるシンポジウム」に出席し、スピーチをおこなった。

昭恵さんは「政治家の妻」として選挙にかかわってきたが、長い間「主人が言っていることが正しいと思っていて、自分の頭でものを考えていなかった」と述懐。50歳を目前にしてそのことに気づき、「言いたいことは言おう」と考えるようになったと話した。

さらに、日本の学校教育に疑問を感じたことをきっかけとして、中学2年生のときに起業した女子生徒のエピソードを紹介しながら、シンポジウムに参加した高校生たちに向かって、「自分の頭で考えることの大切さ」を訴えた。

●安倍昭恵・首相夫人のスピーチ(全文)

私は、平成5年(1993年)に主人が初当選して以来、20年以上、政治家の女房として、選挙を支えてきたつもりです。そのとき、どういうことを有権者の方たちにお願いしてきたかというと、とにかく「主人はがんばっておりますので、よろしくお願いします」と言って、握手をするんですね。

特に日本の場合は、妻の立場で政策を語ってはいけない。政策を語ると、生意気な奥さんだと思われる。「とにかく、握手をして頭を下げなさい」と、最初に教わるわけです。みなさんにお会いして「よろしくお願いします」というのが、長年の日本の選挙なんですね。

そういうのが選挙だった時代が続いてきましたが、いま、ずいぶん意識が変わってきているんじゃないかな、と。高校生のみなさんが、どうやって選挙で投票したらいいのかと真剣に考えている姿を見て、政治家も変わっていかなくてはいけないんだな、と感じました。

教育も一つ、大きな問題なんだろうなと思います。「いままでの日本を作ってきたのは教育のおかげで、間違っていなかった部分もある」と言っている方もいますし、たしかにそうだと思います。ただ、自分の頭でものが考えられるかというと、そうではない人たちもたくさんいて、まわりに流されてしまう。本当の芯はなんなのか、というのが分からなくなっている。

実際、私自身がそうでした。「主人が言っていることが正しい。それが、すべてなんだ」と、ずっと思っていたんですけど、前回、主人が総理大臣をやめたあとに、もう一回、学び直す機会があったんですね。そこで、いろいろ議論するなかで、「私はこう思います」と言うと、いっぱい突っ込まれるんですよ。選挙区では、政策について、そんなに突っ込まれることがないんです。

でも、そこで議論するなかで、「私は本当にそう思っていたんだろうか」と思うことがいろいろ出てきて、「私は、自分の頭でものを考えていなかったんだ」と、50歳を目前にして、はたと気が付いたわけです。いま「家庭内野党」と言われていますけれども、主人に対しても、言いたいことは言おう、と。

いろんなところに行って、いろんな方たちの話を聞いてみると、本当に住民の合意が形成されて政策が作られているのかというと、そうでないことがたくさんある。政治家は、もっと有権者の中に入っていって、本当の意見というものを聞いていただきたい。特に私は、女性であったり、若い人であったりという、なかなか発言する機会が得られないような人たちの声を吸い上げていただきたい。それを政治に反映させていただきたいと、思っています。

もう一つ、仁禮彩香(にれい・あやか)ちゃんという高校2年生の女の子の話をしたいと思います。彼女は、幼稚園のときにインターナショナルスクールに行っていました。その後、公立の普通の学校に行ったんですが、インターナショナルスクールの幼稚園のときとは違って、自分の自由な発想をなかなか先生に受け入れてもらえなかった。先生が求める答えが出るまで何回も言わせるという教育方法に疑問を感じて、小学1年生なんですけど、「この教育を受けていたら、自分の人生はダメになる」と思った。

そこで、インターナショナルスクールの幼稚園の先生のところに行って、「私たちのためにインターナショナルスクールを作ってください」とお願いして、新しい学校が、彼女たち二人のためにできるんですね。教科書もなにもないところから、学校が始まった。教科書がない授業というのは、彼女たち自身が作っていく授業だったそうです。

たとえば、算数の教科書がないので、どうやって数字を学ぶかというと、裏山に行って竹を切ってきて、「これでイスを作りましょう。竹を4等分してイスの脚を作るには、何センチの長さに切ればいいですか」という形で、いろいろなものを学んでいったそうです。自分たちも社会に出て行って、なにか問題があると学校に持ち込んで、先生やほかの生徒たちと議論して、解決方法を自分たちで見出していった。

彼女はその後も、日本の教育方法がどこかおかしいと思っていたので、それを社会に向けて発信したり、なにか提言したりしたいと考えた。「日本の教育も受けておかないといけない」ということで、日本の普通の中学に行ったうえで、中学2年のときに起業した。いまは高校2年生なんですけど、グローパスという会社のCEOをしています。全然、小生意気な子ではなくて、本当に素直な、普通の女の子なんですね。こういう子たちが未来をつくっていくんだろうなと思っています。

高校生のみなさんの意見を聞いてみると、「国会の議論が非常にわかりにくい」「抽象的だ」と。ヤジを飛ばしたり、誹謗中傷したりというのも、いい部分もあるのかもしれないですけど、子どもたちが見ていて、いいものではない。高校生が見ていても、将来に期待がもてるような議論をしていただきたい、という話をいただいた。これはさっそく、主人にも伝えたいと思います。

住民投票の意味について、住民投票をやっている方から「テストがなければ、勉強をしないんだ」と言われたことがあります。高校生も、「選挙」というものがあれば、みなさん、自分の頭で考えて、「だれかいい人に投票しよう」と考えるんだろうなと思います。(「18歳選挙権を考えるシンポジウム」に参加した)高校生のみなさんは、どうかその輪を広げていっていただきたいなと思います。

(弁護士ドットコムニュース)

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