8943.jpg
11日間ノーブラで勾留、女性被疑者「逮捕で罪人扱い」 ブラトップ可の説明なく 大阪府警「貸与制」導入
2024年02月13日 12時45分

大阪府警に逮捕された女性の被疑者が1月、胸を覆う下着をつけられないまま11日間勾留されていたことが、女性の代理人弁護士への取材で分かった。

大阪府警はTシャツ型のブラトップ(カップ付きインナー)の着用を認めているが、今回は女性にそのことを説明せず、女性はブラジャーをつけられないまま検察官の取り調べを受けていた。大阪府警は「不親切な対応だった」と釈明し、勾留中の被疑者が着用可能なブラトップを借りられる貸与の仕組みを導入したと明らかにした。

代理人弁護士は「全国の警察でブラトップの貸与制を導入してほしい」と訴えている。

大阪府警に逮捕された女性の被疑者が1月、胸を覆う下着をつけられないまま11日間勾留されていたことが、女性の代理人弁護士への取材で分かった。

大阪府警はTシャツ型のブラトップ(カップ付きインナー)の着用を認めているが、今回は女性にそのことを説明せず、女性はブラジャーをつけられないまま検察官の取り調べを受けていた。大阪府警は「不親切な対応だった」と釈明し、勾留中の被疑者が着用可能なブラトップを借りられる貸与の仕組みを導入したと明らかにした。

代理人弁護士は「全国の警察でブラトップの貸与制を導入してほしい」と訴えている。

⚫️取り調べを受けるのに下着は不可欠 ノーブラは「逮捕された時点で罪人扱い」

女性の代理人である松本亜土(あど)弁護士と大阪府警によると、女性は今年1月6日、口論になった夫を刃物で刺したとして殺人未遂の疑いで逮捕され、その後、傷害罪で起訴された。

女性は豊中警察署の留置場に入る際、着用していたスポーツ用ブラジャーを脱ぐよう指示され、その後1月17日に松本弁護士がブラトップを差し入れするまでの間、胸を覆う下着をつけないまま過ごした。

松本亜土弁護士が被疑者の女性に差し入れたブラトップ(松本弁護士提供) 松本亜土弁護士が被疑者の女性に差し入れたブラトップ(松本弁護士提供)

多くの留置場では自殺防止の観点からブラジャーの着用が禁じられているが、大阪府警は2018年12月から被疑者が希望すればTシャツ型のブラトップに限って着用を認める運用を始めた。しかし今回、大阪府警の警察官は女性にこうした運用があることを説明していなかった。

松本弁護士は被疑者の女性と面会した時に下着を着ていないことを知り、大阪府警などに改善を申し入れた。面会時、女性は両手を胸の前で交差させて少し前かがみの状態で応じ、「逮捕された時点で罪人なんですよ」と話していたという。

松本弁護士は「相手の性別に関係なく、人と話す時にブラジャーを着けていないことは耐え難い。女性が辱めを受けることなく取り調べに応じるにはブラジャーは必要不可欠です。大阪府警はブラトップの貸与制について周知徹底してほしい。そして、他の地域では同様の問題がまだまだあると思うので、弁護士が声をあげて全国的に変えていきたい」と話している。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る