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白河桃子氏「セクハラ、パワハラをどんどん訴えてほしい」「高額を支払う判例が必要」
2017年07月13日 17時49分

相模女子大客員教授でジャーナリストの白河桃子氏が7月13日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で、著書の出版を記念し「これからの時代の働き方」と題して記者会見した。

2016年9月に立ち上がった政府の「働き方改革実現会議」メンバーでもある白河氏は7月15日、「御社の働き方改革、ここが間違ってます!残業削減で伸びるすごい会社 」(PHP新書)を出版する。

相模女子大客員教授でジャーナリストの白河桃子氏が7月13日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で、著書の出版を記念し「これからの時代の働き方」と題して記者会見した。

2016年9月に立ち上がった政府の「働き方改革実現会議」メンバーでもある白河氏は7月15日、「御社の働き方改革、ここが間違ってます!残業削減で伸びるすごい会社 」(PHP新書)を出版する。

●働き方改革は、暮らし方改革

現代のような人口構成の変化が経済にとってマイナスに作用する「人口オーナス期」には、同じような人が同じように働くのではなく、多様な人が多様な場所や時間で働くことが不可欠だという。女性が一人で子育てする「ワンオペ育児」はカップルや社会で子育てを支える「チーム育児」へ、男性が一人で一家を養う「ワンオペ稼ぎ」はカップルで家計を稼ぐ「チーム稼ぎ」にしていかなければならないと述べ、「働き方改革というのは暮らし方改革だ」と説明した。

昨年発足した「働き方改革実現会議」で決定した時間外労働の上限規制については、「これまでは法的強制力がなく遵法意識が低かったが、罰則付きの上限となった。経営者にとっては大きな負荷がかかるもので、ビジネスモデルの経営改革を迫るものだ」と評価した。

●「早く帰ろう」の掛け声だけでは、違法なサービス残業が増える

現在企業に働き方改革の動きが見え始めた一方で、「午後10時には帰ろう」、「午後10時にはパソコンを閉じよう」といった掛け声だけをかけている企業が多いことに触れ、「結局サービス残業を生み出す結果となっている」と指摘。

生産性を高くして短時間で成果を出した場合、残業代が出ないため、給料が低くなってしまう現状については、「経営者がビジネルモデルを改め、評価と報酬の設計をやり直し、取引先も巻き込んだりする必要がある」と経営者の責任について言及した。

●日本はハラスメントに対する損害賠償額が低い

質疑応答では、外国人記者から「電通の高橋まつりさんの事件では長時間労働よりもセクハラが大きな要因だったと思うが」と尋ねられ、「日本は海外に比べ、損害賠償請求訴訟の金額がすごくゆるい」と述べ、「企業がハラスメントに関する裁判で敗訴した場合、もう少し危機感を持ってもらえるよう、多額の金額を支払うような判例が必要だと思う。セクハラやパワハラを受けている方は、どんどん訴えて欲しい」と話した。

(弁護士ドットコムニュース)

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