お笑いトリオ「パンサー」の尾形貴弘さんが、3月7日放送のテレビバラエティ「しくじり先生 俺みたいになるな!!」（テレビ朝日系）に出演。嫉妬を理由に、妻に対しあらゆる行為を禁止していることが明らかになった。

尾形さんは2017年3月に交際期間3年を経て結婚。現在、2歳の娘の父でもある。番組内で明かされた妻への禁止事項は10つ以上あった。

・恋愛・韓流ドラマ見るの禁止
・男性美容師に散髪してもらうの禁止
・男物の古着を着るの禁止
・男性店員にオススメを聞くの禁止
・ジムで男性トレーナーに身体を触られるの禁止
・宅配便の人と話すの禁止
・人前に出るのにメイク禁止
・Vネック、ショートパンツ禁止

宅配便の配達員と話すのを禁止していることについて、尾形さんは「毎回その人なんです。もう20分くらい話したりとかも見てますし、一緒に部屋入ってくのとかも、目撃してますし。話して欲しくない」と説明した。

「DVはマジでしてないんで、本当にそこだけは信じてください」と弁明していたが、ネットでは視聴者から「モラハラ怖い」「ネタなのかな？だといいんだけど」といった声が上がっている。

果たして、こうした行為は法的に問題になるのでしょうか。高木由美子弁護士に聞きました。

●エスカレートすることも多い

——妻は「世間でなんと言われようがウチはウチ。わたしをもっともっと信じてください」と話しており、「モラハラ被害」とは受け止めていないようでした。しかし客観的にみた場合、法的にはどう考えられるのでしょうか。

これらの内容はモラハラに該当します。

妻に対してモラハラをする夫は、何をするにも自分のことを第一優先順位として、そのために妻を支配するという考え方をしています。そして、妻を対等な1人の人間、パートナーとして考えておらず、自分の所有物と思っています。

そのために、夫は妻の気持ちを全く考えることが出来ずに夫自身の意に反することを全て禁止するという行動に出ます。

それが、「配達員と話すのを禁止」「メイク禁止」「Vネックショートパンツ禁止」となるのです。

妻は、このような夫の行動について、自分のことを愛してくれているからと甘受している場合もあるかもしれません。しかし、それは間違いです。

このようなことをする夫は、妻のことを愛して言っているわけではありません。妻ではなく、自分自身を愛するあまり、自分が傷つかないよう、妻に禁止事項を押し付けるのです。

夫のこのような行為は、エスカレートすることも多く、例えば、女性の友達や親族との交流も制限したり、1日に何度も電話やラインで連絡して居場所、行動チェックをしたり、1円単位で家計をチェックするなどの行動に発展することもあります。

●継続的にカウンセリングを受けて

——どうやったらこうした行動を変えてもらえるのでしょうか。

夫がこのような行動を変えることはなかなか難しいのが現実です。

モラハラ夫は妻に対して口では偉そうなこと、自分は正しいんだと強気なことを言うことが多いですが、実は自分に自信がなく、妻に色々ルールを課さないと、自分から離れてしまうのではないかという不安を持っていることも多いです。

しかし、夫自身がこれらの行為はモラハラ行為であることを認識し、改めようと強い気持ちを持ち、カウンセリングを受けるなど具体的な行動をとることが出来れば、改善の見込みはあるのではないかと思います。