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「芸術家・ろくでなし子氏の即時釈放を要求します」 ネットで署名活動はじまる
2014年12月03日 21時37分

女性器をモチーフにした作品を制作している芸術家「ろくでなし子」さんが12月3日、わいせつ物公然陳列などの疑いで逮捕されたことを受け、ネット上ではわいせつやアート、表現をめぐって幅広い議論が巻き起こっている。

女性器をモチーフにした作品を制作している芸術家「ろくでなし子」さんが12月3日、わいせつ物公然陳列などの疑いで逮捕されたことを受け、ネット上ではわいせつやアート、表現をめぐって幅広い議論が巻き起こっている。

●男性器をあがめる「奇祭」も摘発される?

ツイッターでは、劇作家の鴻上尚史さんが「いやもう、警視庁は、意地とメンツだけのような気がしますけど」とツイート。高須クリニックの高須克弥院長は「僕が大事にしてる僕の友人の力作。ろくでなし子さんが悪いならこれはいいのか? 」という言葉とともに、「日本女性の外性器 統計学的形態論」という本の写真をツイッターにアップした。

なかには、男性器の形をした御神体をあがめる日本の伝統的な祭りと比較する人もいる。たとえば、「ろくでなしこ逮捕の報をつらつら見てて、田県神社のあの祭りの主催者参列者見物客まとめて一網打尽の展開を想像した。だって、これダメならあれアウトだろ」といった指摘だ。

また、今回の逮捕について、次のように論評する人もいた。

「何度も言うが『アート無罪』は通らない。通したければ、世の人々の大多数が芸術だといえるような普及活動と時間が必要だよ」

「ろくでなし子氏には悪意はないと思うが、警察がろくでなし子事件を黙認すると、今後そういう3Dデータを売買するビジネスが流行って歯止めがきかなくなる可能性がある。警察もここが重要な防衛ラインだと認識しているのだろう」

●即時釈放を求める「署名活動」開始

一方、今回の逮捕に異議を唱える人たちのあいだでは、ろくでなし子さんの「即時釈放」を求めるネット上の署名活動も始まった。

署名は、「逃亡も証拠隠滅もするはずのない人間を逮捕拘束するのは不当」などとして、警視庁と東京地検に対して、ろくでなし子さんの「即時釈放を要求」している。

署名活動が行われているのは、インターネット署名サイト「change.org」で、3日21時30分の時点で約1400人の賛同者がいる。賛同者は「驚きました。理解不能です」「日本も住みにくい国になりましたね。多様な価値観や文化活動を排除するほど、国の活力が消えて衰退します」といった意見を寄せている。

署名サイトのURLは次のとおり。https://www.change.org/p/警視庁-芸術家-ろくでなし子氏の即時釈放を要求します

(弁護士ドットコムニュース)

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