9281.jpg
連帯保証人が来て「十数年前の借金」返済を要求された!時効を理由に払わなくていい?
2016年02月14日 10時12分

かつて借金をしたときに連帯保証人になってくれた後輩が、最近になって突然訪れ、「こうなったのは全てお前のせいだ。せめてお前が払うべきだった借金額を慰謝料として払え!」と恨みをぶつけられたーー。そんな男性の「告白」がネットの掲示板に投稿された。

その投稿によると、男性は大学生のとき、パチスロで50万円の借金ができてしまったため、一発逆転のために、無理やり頼み込んで、後輩に連帯保証人になってもらい、お金を調達したという。

しかし、借金は数百万円に膨らみ、男性は逃亡した。そのため、取り立て屋が後輩のところに押しかける結果となった。後輩はストレスから退学して、その後、自己破産。さらに、後輩の親の職場にも取り立て屋がきたため、親は退職。後輩の姉や兄も離婚や婚約破棄になってしまったそうだ。

十数年ぶりに再会した後輩は借金の返済を求めているが、男性は「借金の時効はとっくに過ぎている」と払うつもりはないようだ。このようなケースの場合、借金を返済する必要はないのだろうか。山川典孝弁護士に聞いた。

かつて借金をしたときに連帯保証人になってくれた後輩が、最近になって突然訪れ、「こうなったのは全てお前のせいだ。せめてお前が払うべきだった借金額を慰謝料として払え!」と恨みをぶつけられたーー。そんな男性の「告白」がネットの掲示板に投稿された。

その投稿によると、男性は大学生のとき、パチスロで50万円の借金ができてしまったため、一発逆転のために、無理やり頼み込んで、後輩に連帯保証人になってもらい、お金を調達したという。

しかし、借金は数百万円に膨らみ、男性は逃亡した。そのため、取り立て屋が後輩のところに押しかける結果となった。後輩はストレスから退学して、その後、自己破産。さらに、後輩の親の職場にも取り立て屋がきたため、親は退職。後輩の姉や兄も離婚や婚約破棄になってしまったそうだ。

十数年ぶりに再会した後輩は借金の返済を求めているが、男性は「借金の時効はとっくに過ぎている」と払うつもりはないようだ。このようなケースの場合、借金を返済する必要はないのだろうか。山川典孝弁護士に聞いた。

●「慰謝料」を支払う必要はない

「今回のケースで、投稿者の男性は、後輩から借金額相当の慰謝料を支払えと請求されているようですが、結論から言えば、男性は基本的に、そのような慰謝料を支払う必要はありません」

山川弁護士はこのように説明する。なぜだろうか。

「投稿によれば、後輩は、男性から頼まれたとはいえ、自ら連帯保証人となることに承諾しています。後輩は、自ら連帯保証人となることに承諾した以上、債権者から請求を受けて結果的に自己破産に追い込まれたとしても、自己責任ですので、男性に慰謝料を請求することはできません。

また、後輩の親は退職、きょうだいが離婚や婚約破棄に追い込まれてしまったという点についても、詳細は分かりませんが、男性が後輩に保証を委託したことと、親族の退職、離婚、婚約破棄といったこととの間には因果関係があるとはいえませんので、男性に対する金銭的な請求が認められるとは考えにくいです。

なお、後輩が男性の債務を返済していた場合、後輩には、男性に対する『求償権』が発生しますが、求償権の時効は民法上10年とされているので、返済から10年を経過していれば、男性は後輩から請求を受けても、支払う必要はありません」

山川弁護士はこのように話していた。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る