元YouTuberのワタナベマホトさんが3月17日、警視庁に児童ポルノ禁止法違反の疑いで逮捕されたと報じられた。　

ワタナベさんは今年1月、15歳の少女にわいせつな画像を送らせていたことが発覚。マネジメント事務所を契約解除され、活動引退を表明していた。また、この件では警察で事情を説明したとも報じられている。

今回なぜ逮捕に至ったのか。また今後、どのような刑事処分となる可能性があるのか。坂口靖弁護士に聞いた。

●逮捕は「珍しくない」

児童ポルノの製造罪では、逮捕されることは珍しくありません。逮捕されずに警察の捜査を受ける「在宅捜査」にはなかなかならないのが実態です。

ワタナベさんの場合、自分で警察に出頭して、説明をしているという報道もありました。仮に弁護人がついていたのであれば、本人も事実関係を認めているようですので「任意の捜査ができますよ」「罪証隠滅の恐れはありませんよ」とアピールして逮捕を免れさせようとしたはずです。

しかし、ワタナベさんが逮捕されたとはいえ、弁護人の逮捕前の活動は、東京地裁での勾留判断にかなり意味をもっていきます。「身柄拘束しなくても捜査できます」「取調べも自由にできます」と訴えられる事情につながるためです。その場合、裁判所によって、勾留却下、あるいは勾留取り消しとなることや、そもそも検察官において勾留請求をしないという可能性も出てきます。

今後についてですが、児童ポルノの事件を不起訴にするためには、大前提として被害児童との示談が必要です。示談が成立すれば不起訴とは言い切れませんが、示談なく不起訴という展開にはなりません。

通常であれば、弁護士を通じて、被害者側と示談交渉をしていたと思います。逮捕に至ったのは、示談交渉がうまく進んでいなかった可能性がありますから、今後もこのまま示談締結に至らない場合、刑事処分を回避するのは難しいと思います。

一般に、複数の児童ポルノ製造をおこなっていたのであれば、不起訴は遠くなります。また知人、第三者に提供していたような場合には、なお一層刑事処分は厳しく処罰されることになり、罰金では終わらず、執行猶予付きの懲役刑になることもありえます。

【児童ポルノ製造罪の量刑】
・特定少数への提供などを目的に製造した場合、3年以下の懲役または300万円以下の罰金
・不特定多数への提供、公然陳列などを目的に製造した場合、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金に処し、またはこれを併科