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「21時間連続勤務」の若手社員が帰宅中に事故死ーー「原因は極度の過労」遺族が提訴
2015年04月24日 20時55分

勤務先からの帰宅途中に交通事故死したのは、長時間労働による極度の過労が原因だったとして、商業施設などに観葉植物を装飾する会社(本社・東京都)で働いていた男性(当時24歳)の遺族が4月24日、同社に1億651万円の賠償を求めて、横浜地裁川崎支部に提訴した。

提訴後、男性の母親と代理人弁護士らが東京・霞ヶ関の厚労省記者会で会見を開き、男性の母親は「人間の命までも奪うほどの利益優先は、許しがたい労働環境であると感じます」と、涙をぬぐいながら語った。

勤務先からの帰宅途中に交通事故死したのは、長時間労働による極度の過労が原因だったとして、商業施設などに観葉植物を装飾する会社(本社・東京都)で働いていた男性(当時24歳)の遺族が4月24日、同社に1億651万円の賠償を求めて、横浜地裁川崎支部に提訴した。

提訴後、男性の母親と代理人弁護士らが東京・霞ヶ関の厚労省記者会で会見を開き、男性の母親は「人間の命までも奪うほどの利益優先は、許しがたい労働環境であると感じます」と、涙をぬぐいながら語った。

●月130時間以上の残業も

会見内容や訴状によると、男性は大学卒業後、この会社をハローワークの求人で知り、採用された。採用面接の段階で、求人票にあった「新卒正社員募集・試用期間なし」という雇用形態ではなく、アルバイトとしての就労を求められたが、いずれ正社員になることを期待して、承諾したという。求人票には残業は月平均20時間と記載されていた。

2013年9月から勤務を始めると、休みは週に1度だけで、深夜早朝に及ぶ不規則な長時間労働に従事させられた。入社から半年後の昨年3月になってようやく、正社員として採用することを口頭で通知されたが、時間外労働が多い月で130時間を超えるような過酷な労働環境は変わらなかった。

そして、正社員採用から約1カ月後の昨年4月24日。顧客店舗の飾り付けのため、前日の午前11時からその日の朝8時までの約21時間、仮眠も取らずに働いていた。午前9時頃、原付バイクで自宅に帰る途中に、男性は電柱に衝突し、脳挫傷、外傷性くも膜下出血で死亡した。

原告代理人の川岸卓哉弁護士は「男性は事故の前日だけではなく、2日前、3日前も長時間労働を行い、睡眠もままならない状態だった。しかし、同社は業務の軽減などの措置をしておらず、安全配慮義務を怠った」と指摘した。

●「できることなら代わってやりたい」

この日はちょうど男性が亡くなってから1年。男性の母親は、現在の心境について声を震わせながら語った。

「バイク事故で亡くなったことを知ったのは、(昨年)4月24日の朝、仕事で移動中の電車の中でした。その時のことは、ショック状態で記憶もとぎれとぎれです。

息子は、正社員としての内定通知を期待しながら、指示されるままに働きました。私ともすれ違いで、話す時間はなくなり、どんどん彼が疲れた表情になっていきました。『平成生まれは甘いなー』とか、『手がもげても、足がもげても働かなきゃいけない』など、パワハラと思われることも言われていたようです。

こんなことになってしまったのは、ウソの求人票を信じきって彼に勧めた私のせいであり、自責の念でいっぱいです。できることなら彼と代わってやりたい。今も毎日毎日、そう思っています。

この会社は、息子が亡くなったことを知っても、線香をあげることも、お墓の場所を聞いてくることもしませんでした。都会の有名店でお客様に夢を売る仕事に携わっていながら、裏では人間を人間扱いしない配慮のなさを痛感します」

(弁護士ドットコムニュース)

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