9587.jpg
夫が社内不倫、「相手を退職させたい」妻の企み…違法性はない?
2019年03月03日 08時51分

夫が同じチームの部下と不倫関係に陥っていたーー。怒りが収まらない女性から「不倫相手の女性の部署は変えられないのか」と弁護士ドットコムに相談が寄せられています。

夫いわく、2人でチームを組んで出張に行く事が多く、何度も同じホテルに泊まっているうちに不貞関係になったそう。不倫発覚後、夫は「別れる事になった、不倫相手も会社を辞める事にする」と説明してきました。

しかし、部下は未だに退職もせず、夫と同じチームで働いており、女性は「同じ部署で働いてるのは私としては気に入りません」と憤っています。

そこで、女性は夫の上司に違う部署に変えてもらうよう個人的に相談しようとしています。こうした行為は、問題ないのでしょうか。氏家信彦弁護士に聞きました。

夫が同じチームの部下と不倫関係に陥っていたーー。怒りが収まらない女性から「不倫相手の女性の部署は変えられないのか」と弁護士ドットコムに相談が寄せられています。

夫いわく、2人でチームを組んで出張に行く事が多く、何度も同じホテルに泊まっているうちに不貞関係になったそう。不倫発覚後、夫は「別れる事になった、不倫相手も会社を辞める事にする」と説明してきました。

しかし、部下は未だに退職もせず、夫と同じチームで働いており、女性は「同じ部署で働いてるのは私としては気に入りません」と憤っています。

そこで、女性は夫の上司に違う部署に変えてもらうよう個人的に相談しようとしています。こうした行為は、問題ないのでしょうか。氏家信彦弁護士に聞きました。

●上司に相談「問題になる可能性」

ーー妻が夫の上司に個人的に相談する行為は問題になりますか

「はい。問題になる可能性が高いので、夫の上司に相談するべきではないと考えます。

ご相談者の女性にとって、夫と相手の女性との不倫は許しがたい上、相手の女性が辞めないで同じ部署にいるままであれば、憤るのも当然であり、夫の上司に相談したくなる気持ちはよく分かります。

しかし、この場合、女性は、夫らに対し、慰謝料請求ができるものの、相手の女性の配置換えや退職を求めるなどの法的請求権はありません」

●夫などのプライバシーなどを害する恐れ

ーー上司に話すことでどんなリスクがありますか

「不用意に不倫のことを夫の上司に話すのは、夫及び相手の女性のプライバシーその他の法的利益を害し、紛争が深刻化して解決から遠ざかるおそれがあります。

夫との婚姻を継続するからこその要望とお察ししますが、相談者の女性が、夫の出世に支障となり得る情報を夫の上司に伝えることにより、夫の減収、ひいては相談者自身の家計の悪化に繋がるおそれがあることも、考慮していただく必要があります」

●念書「退職を義務付けるものではない」

ーーでは、部下本人に念書を送るのは有効な手段ですか

「相手の女性に、『一定の期限までに会社を辞める』等を誓約してもらうために念書を送るのは、一定程度、有効な手段であると思います。

しかし、退職するか否かは相手の女性の意向次第です。仮に念書にサインを得ても、それに違反したからといって、退職を義務づける法的請求権までは認められません」

ーー妻に打つ手はないのでしょうか

「退職しない場合は精神的苦痛の軽減が不十分であるなどの理由で、慰謝料の増額を求めたい等の要望を相手の女性に伝えて、再考を促すことが考えられます。

また、婚姻を継続する夫に対し、自らの苦しみが続いていることを率直に伝えて、夫を通じて相手の女性に真摯に検討するよう促すことも、一つの方法であると思います。

もっとも、退職をするかしないかは個人の自由のため、強制的に退職をさせることまではできません」

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る