中居正広さんによる女性トラブルなどの一連の報道をめぐり、フジテレビと親会社のフジ・メディア・ホールディングス（HD）は東京都港区の本社で1月27日、会見を開いた。

会見に参加したのは、フジテレビ・港浩一社長と嘉納修治会長、遠藤龍之介副会長、またフジテレビの親会社でフジテレビ・フジ・メディアHDの金光修社長の4人。

港社長の辞任にともない新たに社長に就任する清水賢治氏も壇上に上がった。

この問題が発覚して以来、スポンサー離れが相次ぎ、強い批判にさらされているフジテレビだが、この問題に真摯に取り組む姿勢を見せるべき会見に、フジテレビの「ドン」と呼ばれる日枝久氏（フジ・メディアHD取締役相談役、フジテレビ取締役相談役）の姿はなかった。

会見の質疑応答では、記者やジャーナリストらから、「日枝氏がなぜ会見に出てこないのか」という声が相次ぎ、紛糾する場面もあった。

●「イエスかノーで答えてください」

「ここになぜ日枝氏がいないのでしょうか？」

会見が始まって早々、ジャーナリストから質問が飛んだ。日枝氏をめぐっては、辞意を伝えた港社長らに対して、日枝氏が「こんなことで負けるのか、お前たちは！」と一喝したとスポニチが報じている。

記事によると、会見に先立って23日におこなわれた社員を対象にした説明会では、「日枝体制」の退陣を求める声が社員から上がったという。

27日の記者会見では、質問したジャーナリストは、「日枝さんはこの会見を聞いていると思います。日枝さん、聞いているなら出てきて、質問に答えてください」とうったえた。

また、別の記者からは、「日枝氏が長年、トップに立っていた。港社長らが辞任しても、日枝氏がやめなければ、トカゲの尻尾切りにしか見えない。みなさん、日枝氏の発言を怖れているように見えるが、今後フジテレビは変わるのでしょうか」という質問もあった。

日枝氏の不在に対して、遠藤副会長は「この会見自体が、フジテレビの問題なので、会長社長以下で対応しています。出処進退については、日枝だけでなく総括的に色々な人に話をしています」などと説明した。

他にも日枝氏の会見出席を問いただす質問が寄せられ、「なんで逃げるんだよ！」と怒号が飛ぶ場面もあった。

質疑応答では、歯切れの悪い経営陣に対して、「イエスかノーで答えてください」と迫る記者も相次いだ。