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ふるさと納税、泉佐野市「地方の汗と涙の結晶」 総務省方針に改めて異議
2018年11月27日 15時14分

総務省が一部の自治体で行き過ぎがあるとして、法規制の方針を示したふるさと納税の返礼品をめぐり、2017年度に全国トップの寄付金135億円を集めた大阪府泉佐野市が11月27日、東京都内で会見を開いた。見直しを求める総務省に対して送った「回答書」を初めて開示し、八島弘之副市長は「総務省の自治体への対応はあまりにも強引かつ強権的」と述べた。

総務省が一部の自治体で行き過ぎがあるとして、法規制の方針を示したふるさと納税の返礼品をめぐり、2017年度に全国トップの寄付金135億円を集めた大阪府泉佐野市が11月27日、東京都内で会見を開いた。見直しを求める総務省に対して送った「回答書」を初めて開示し、八島弘之副市長は「総務省の自治体への対応はあまりにも強引かつ強権的」と述べた。

●返礼品「まさに地方の汗と涙の結晶」

総務省は地方自治法にもとづく技術的助言(従う義務はない)として、通知で、「返礼品の調達額を寄付額の3割以下にすること」と「返礼品を地場産品とすること」を全国の自治体に要請している。11月1日時点の見直し状況を総務省から聞かれた泉佐野市では、「白紙回答」とするかわりに、市としての考え方をまとめた回答書を11月1日付で提出していた。

回答書では、ブランド和牛や高級海産物などの特産品に乏しい自治体が、特産品が豊富な自治体との「格差」を埋めるために知恵をしぼった結果、さまざまな返礼品がそろったとし、「まさに地方の汗と涙の結晶」と指摘。総務省による規制強化に向けた対応が強権的であるとして、「地方分権が脅かされ、地方の活性化そのものが損なわれる」と懸念を表明した。

また、「3割以下にすること」については、この数字がなぜ妥当なのかという根拠を明確に示すよう総務省に対して改めて求めた。ただ結果として、総務省による「一方的な押し付け」ではなく、自治体や有識者らを交えた幅広い議論の末に、一定のルールや基準を設けることには賛同するとの姿勢を明記した。

●「総務省は耳を傾けて」

泉佐野市の阪上博則・理事は「総務省が言うようなアイデアはほぼ全て実施済みだが、綺麗事ではなかなか寄付は集まらない。仮に総務省が現時点で示している考え方に従えば、泉佐野市に対する寄付額は70〜90%減るという試算になっている。総務省による脅しは地方分権を侵害する行為だ。泉佐野つぶしをされていると受け取っている」と述べた。

八島副市長は「総務省による通知は国民の興味関心や自治体のモチベーションを低下させ、結果的にふるさと納税の縮小につながってしまう」とし、「自治体が工夫する余地を残してほしい。総務省は耳を傾けてほしい」と求めた。

●他自治体と集まって行動する段階に至らず

総務省は今年度、複数回にわたって「総務省通知に従わない自治体」のリストを公表している。そこで名指しされることで、むしろ寄付に対する還元率が高い「お得な自治体」だとネット上で話題になり、寄付は今年度も好調に集まっているという。阪上理事は、現時点で、おおむね2017年度並みの135億円程度の寄付を見込んでいることを明かした。

この問題で総務省に公然と異論を唱えるのは、事実上、泉佐野市だけに限られている。総務省に異論を唱える自治体が他に広がっていない点について問われ、阪上理事は「泉佐野市を応援するようなメッセージは色々な自治体からいただいている。ただ、残念ながら、集まって行動していくレベルにはまだ至っていないのが実態」と話した。

(弁護士ドットコムニュース)

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