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鈴木おさむさん「育休宣言」ーー普通の男性社員が育休を取るには「残業制限」が必要?
2015年07月18日 10時14分

女性お笑いトリオ「森三中」の大島美幸さん(35)が出産したことを受けて、その夫である放送作家の鈴木おさむさん(43)がブログで、約1年間の「育休」をとることを発表した。

ブログによると、鈴木さんは自宅で脚本執筆などの仕事は続けるが、テレビの放送作家としての仕事は休み、育児に時間をあてるという。また、自らの「育休」について、父親になるための「父勉(ちちべん)」と呼び、「世の中の男性の育休の制度や状況が少しずつでも変化していくことを願っています」と記している。

男性の「育児休業」取得率は、政府目標を大きく下回る状況が続いている。6月末の厚生労働省の公表によると、2014年度の育児休業取得率は、女性が86.6%(前年度比3.6ポイント増)だったのに対して、男性は2.30%(同0.27ポイント増)にすぎなかった。男性の育休取得率は2007年度以来、初めて2年連続で増加したものの、伸び率は小さい。政府が掲げる「2030年までに13%」という目標は、まだまだ遠いといえる。

なぜ、男性の育休取得は進まないのだろうか。また、育休を取得しやすくなるには、どんな制度が必要だろうか。野澤裕昭弁護士に聞いた。

女性お笑いトリオ「森三中」の大島美幸さん(35)が出産したことを受けて、その夫である放送作家の鈴木おさむさん(43)がブログで、約1年間の「育休」をとることを発表した。

ブログによると、鈴木さんは自宅で脚本執筆などの仕事は続けるが、テレビの放送作家としての仕事は休み、育児に時間をあてるという。また、自らの「育休」について、父親になるための「父勉(ちちべん)」と呼び、「世の中の男性の育休の制度や状況が少しずつでも変化していくことを願っています」と記している。

男性の「育児休業」取得率は、政府目標を大きく下回る状況が続いている。6月末の厚生労働省の公表によると、2014年度の育児休業取得率は、女性が86.6%(前年度比3.6ポイント増)だったのに対して、男性は2.30%(同0.27ポイント増)にすぎなかった。男性の育休取得率は2007年度以来、初めて2年連続で増加したものの、伸び率は小さい。政府が掲げる「2030年までに13%」という目標は、まだまだ遠いといえる。

なぜ、男性の育休取得は進まないのだろうか。また、育休を取得しやすくなるには、どんな制度が必要だろうか。野澤裕昭弁護士に聞いた。

●子育て世代は、企業からすると「働かせ世代」

「私自身は、3人の子どもの保育園の送り迎えなどを経験していて、育児は楽しいものという思いが強くあります。また、厚労省の調査でも、男性の約3割が育児休業を取りたいと希望しています。しかし、実際の取得率はきわめて低く、先進国の中で最低です」

野澤弁護士はこのように述べる。いったい何が原因なのだろうか。

「いろいろあると思いますが、男性労働者中心の長時間労働という、わが国の労働環境が最大の要因です。

30代の子育て世代は、企業からすると『働かせ世代』です。30代男性の約2割が週60時間以上働いています。これでは子育てに割く時間はありません。育休を取得しやすくするには、労働時間を短縮することがまず必要です」

そのための法制度は、整備されていないのだろうか。

「2010年(平成22年)に育児休業介護休業法が改正され、子育て中の『短時間勤務制度』の設置と『残業の免除』が義務付けられました。

ただ、これは労働者が請求した場合という前提です。長時間労働が常態化しているような職場では、労働者がこうした請求をすることは困難です」

●育児は経済活動を阻害するものではない

現状の対策では不十分な面があるようだ。どんな点を改善すべきだろうか。

「むしろ、1歳未満の子どもがいる労働者は原則として残業時間を制限し、労働者が承諾すればそれを超える残業も認めるといったように、原則と例外を逆転することが必要ではないかと思います。

また、『育児は経済活動を阻害する要因』という考えを改める必要があります。育児によって親が生活に充実感を持ち、仕事に対する意欲も高まると、積極的に評価することも必要ではないかと思います。

昔から『男は仕事、女は家庭』という考えがあります。育児休業が進まない根本的な理由には、こうした発想があると思います。

しかし、こうした性による分業に科学的根拠はありません。子どもの成長期は二度と戻ってきません。子どもの成長期に共に過ごすことは、親にとって貴重な時間であり、歓びのはずです。

父親は育児の歓びを味わうことで、働く意欲を高められる。それは、女性が働き続けられることにもつながり、結果として企業の生産効率が上がる。このように育児休業を積極的にとらえる必要があると思います」

野澤弁護士はこのように述べていた。

(弁護士ドットコムニュース)

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