部屋で吸ってないのに「タバコ臭い」とホテルに言われた──。そんなトラブルに巻き込まれたという相談が、弁護士ドットコムに寄せられました。
相談者は、あるホテルの「禁煙室」に宿泊。タバコは館内の喫煙スペースで吸ったものの、部屋では一切吸っていなかったといいます。
ところが夜になって、ホテル側から「部屋がタバコ臭い」と指摘されたといいます。
海外では、部屋で喫煙していないにもかかわらず、センサーの誤作動(?)によって「追加料金」を請求されたという例もあるそうです。
もしクリーニング代を請求された場合、どのように対応すればいいのでしょうか。濵門俊也弁護士に聞きました。
●禁煙室での喫煙は規約違反とみなされる
──もし禁煙室でタバコを吸った場合、クリーニング代を支払わないといけませんか。
ホテル側が請求するのは、(1)タバコの臭いが残っていると、次の宿泊者からクレームが入る可能性がある、(2)清掃・脱臭作業に時間と費用がかかる、などの理由が考えられます。
そもそも、(3)禁煙室での喫煙は規約違反とみなされることが多いと思います。
したがって、禁煙室でタバコを吸った場合はクリーニング代の支払いに応じざるを得ないでしょう。
──部屋でタバコを吸ってないのに請求された場合はどうでしょうか。
結論から言うと、実際に喫煙していない場合は、クリーニング代を支払う必要はありません。ただし、ホテル側が「喫煙の痕跡がある」と判断した場合、トラブルになる可能性があります。
吸っていないのに請求されたら、まずはホテル側に喫煙していないことを冷静に説明しましょう。証拠がないかも確認しましょう(吸い殻、火災報知器の記録など)。
納得できない場合は、消費生活センターなどに相談するのも手です。
予防策としては(ⅰ)非喫煙者であればチェックイン時にそのことを伝える、(ⅱ)部屋に入った時点でタバコ臭がする場合は、すぐにフロントに連絡して部屋を変えてもらう、(ⅲ)換気扇や空気清浄機の使用状況を記録しておく──といった対応が安心だと思います。