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アベノマスク、半数が保管「いつか民俗資料館へ」「ペットのハンモックに」LINE読者調査
2021年12月28日 09時57分

安倍政権時代に配布され、在庫の管理費が問題視されていた布マスク、いわゆる「アベノマスク」の廃棄が決まった。来春までに約8200万枚がすべて処分されるという。

弁護士ドットコムニュースLINE公式アカウントの友だち登録者にアンケート調査したところ、「使った」は約1割。9割近くが「使わなかった」といい、「税金のムダ」など批判的なコメントが多く寄せられた。ただ、半数の人が「歴史的資料」などとして保管しているようだ。

中には「ケガしたとき、アベノマスクで手当てしてもらった」「ブロッコリーを育てている」といったマスク以外の利用法も寄せられた。

安倍政権時代に配布され、在庫の管理費が問題視されていた布マスク、いわゆる「アベノマスク」の廃棄が決まった。来春までに約8200万枚がすべて処分されるという。

弁護士ドットコムニュースLINE公式アカウントの友だち登録者にアンケート調査したところ、「使った」は約1割。9割近くが「使わなかった」といい、「税金のムダ」など批判的なコメントが多く寄せられた。ただ、半数の人が「歴史的資料」などとして保管しているようだ。

中には「ケガしたとき、アベノマスクで手当てしてもらった」「ブロッコリーを育てている」といったマスク以外の利用法も寄せられた。

●保管しているは約半数

調査は12月24日~27日まで実施。LINEで弁護士ドットコムニュースを友だち登録しているユーザーのうち、1万5000人にアンケートを送り、1871人(12.5%)から回答があった。男女比はほぼ半々(男性921人、女性926人、その他37人)だった。

アベノマスクを「使った」という人は12.4%で、「使っていない」が86.2%、「覚えていない」が1.4%だった。

現在は「保管している」が48.6%で最も多く、「捨てた」(21.2%)、「他人にあげた」(13.3%)、「失くしてしまった」(6.8%)、「わからない」(10.1%)という結果だった。

以下、フリーコメントを紹介したい。

●配布遅くて不評

アベノマスクは、コロナ禍初期のマスク不足を受けて、2020年4月1日に安倍晋三首相(当時)が1世帯あたり2枚の配布を発表した。

「家内は手作りマスクをしていましたが、私は積極的に使いました。確かに小さいのは不便でしたが、不織布マスクが買えなかったので、使いました」(60代男性)
「幸いマスクを購入できたので、布マスクは使いませんでしたが、最悪コレを使うことができるという安心感がありました」(40代女性)

など、好意的な声がないわけではない。ただ、到着が遅く、多くの家庭に届いたときには、すでにドラッグストアの店頭で不織布マスクが買える状態になっていた。

「本当にマスクが不足している時なら使ったと思いますが…。あれだけ出回ってから配布するなんて。税金の無駄遣い以外何ものでもないと思います」(60代男性)
「特別養護老人ホームの施設長をしています。ホームにも布マスクがたくさん届きましたが、そのまま倉庫にしまってあります」(40代男性)

●不良品が届いたとの声も

汚れなども報告されており、在庫8200万枚中1100万枚(15%)が不良品という報道もある。

「不織布マスクが手に入るようになった頃届いたが、汚れが見えて使う気になれずしまったまま。我が家は家族の人数にも足りなかった。大金かけて配布する意味がわからなかった」(50代女性)
「大人には小さい。シミもあり縫製も悪かった」(50代男性)
「私は小顔なほうだが、マスクはとても小さく感じた」(20代男性)

逆に、不織布マスクの肌触りを子どもが嫌うこともあるようで、育児中の読者の中には、「布マスクが重宝した」という体験談もあった。

●マスク以外の用途「ケガの手当てに」

マスクとしては使わなかったが、別の使い方をしたという人もいた。

「通勤中、ハデに転んで膝から血が出た。バンソウコウでは全く役に立たず困っていたら、職場に寄付されたアベノマスクで手当してもらった。『税金の無駄遣いしやがって!』と思っていたけど、この時ばかりはとてもありがたかった」(30代女性)
「届いた当時から端に黄ばみ(?)があり、使う機会なく放置していました。最後は何度か掃除に使用して破棄しました」(30代女性)
「ペットのモモンガとシマリスのハンモックに使おうと思い保管しています」(60代男性)

このほか、ブロッコリーの栽培に使っている人もいた。

●「歴史的資料」「記念品」として保管

読者の9割近くがアベノマスクを使っていないが、「保管している」という人が半数を占めた。「記念品」「歴史的資料」と考える人が多かったようだ。

「こんなくだらないものを大金をかけて配ったという歴史を残すためです。いつか民俗資料館などに寄付するつもりです」(40代男性)
「未だ見ぬ孫やひ孫に昔を語ることができる時が来たらと思い、昔の思い出の品として保管しています」(40代女性)
「数年後、プレミアつくまで持っておきます。プレミアついたらメルカリかヤフオクで売ります」(20代女性)

●医療関係者「不織布マスクが回ってくるという安堵感あった」

もともとアベノマスクの目的は、入手困難になっていた不織布マスクを、医療機関に優先的に回すためだったとされる。医療関係者という男性は次のようにコメントしている。

「一般の方にアベノマスクが配布されたら、(編注:不織布)マスクを着用できるという安堵感があっただけでも助かりました」(40代男性)

ただ、不織布マスクの供給が回復し、一般の人も比較的すぐに購入できるようになったこともあって、政策の意図はあまり伝わっていなかったようだ。批判的な声が多い中、コロナ禍という事情から擁護する声も一部あった。

「緊急時なんだから少々のロスやミスは仕方ない。何でも叩けば良いってもんでもないだろう」(40代男性)

●フリーコメントの1割に「税金の無駄」

ただ、やはり全体的には圧倒的に批判の声が多かった。報道によると、アベノマスクの調達費用は約400億円。会計検査院の調査によると、2021年3月にかけての保管費が約6億円だったとされる。

「布マスクの効果がないこと、サイズ感、不良品の多さ、保管にお金がかかること、税金で行われ、その反省が行われず放置されていることがおかしいと思う」(30代男性)
「政治パフォーマンスのために、税金が無駄に使われて嫌な気分になった」(20代女性)

フリーコメントが寄せられた約1400回答のうち、10%以上に「税金の無駄」という言葉が含まれていた(「ムダ」「むだ」を含む)。

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