この事例の依頼主
20代 女性
相談前の状況
マッチングアプリで知り合った男性と10か月ほど交際していた女性。別れた後、SNSから、相手が、実は結婚しており、独身と偽っていたことが発覚し、当事務所に慰謝料請求を依頼されました。
解決への流れ
相手との交渉を試みましたが、何度連絡しても繋がらず、1か月が経過。その後、職場に通知書を送って、ようやく連絡がついたものの、再び、連絡が付かなくなり、訴訟を提起しました。結果、判決では150万円の慰謝料が認められ、差押えにより全額の回収に成功しました。
貞操権侵害は、多額の慰謝料が認められにくいとも言われていますが、事案によって差があります。「事後対応の悪質性」は、慰謝料額に影響することが多く、独身偽装が発覚した後も、相手方の対応が不誠実だと、慰謝料増額事由として考慮される可能性があります。経験上、貞操権侵害に基づく慰謝料請求事件では、相手方男性が誠実な対応をするケースは稀であり、ほとんどの男性が、本件のように「どうして良いか分からなくなって」連絡不通になるか、「既婚者だと伝えて交際していた」などという明らかな嘘をつきます。もちろん、相手方の対応次第ですから、事前に予測することはできませんが、これにより、慰謝料額が増大するケースも多く、必ずしも、少額になってしまうというものではありません。また、回収可能性についても、独身偽装で女性を弄ぶ男性は、結婚し、それなりの職業に就いていたり、預金があったり、不動産を購入しているケースが多いため、強制執行により、回収できるケースが多いと言えます。