この事例の依頼主
20代 女性
相談前の状況
職場の飲み会で泥酔してしまい、ホテルに連れていかれ、同僚に性交渉をされてしまったという女性の相談でした。女性としては、当初、泥酔した自分も悪いと考えており、LINEで「昨日はありがとうございました。」(※実際の文面とは違います。)といったメッセージを送ってしまい、警察にも届けず、1か月が経過してしまいました。しかし、やはり、許せないという気持ちになり、相談に来られました。
解決への流れ
同僚に対して、慰謝料請求を行いましたが、相手にも弁護士が付き、当初、合意の上の行為であると主張され、解決金として、低額の提案がありました。しかし、被害者の女性が、事件直後、LINEで知人に強姦されたという相談をしていることや、当時の泥酔状態を知っている同僚の証言を取り付け、丁寧に不同意であったことを説明したところ、大幅に示談金を増額することができました。
職場の同僚や上司からの性被害は、職場での立場を考えて、被害申告がし難く、申告が遅れてしまうことがあります。また、「泥酔した自分も悪い」などと考えて、人間関係を悪くしないため、「昨日はありがとうございました。」などの迎合的なメッセージを送ってしまうことも珍しくありません。こういった時間経過や、迎合的メッセージは、どうしても、被害者に不利に働きます。しかし、被害者心理として、すぐに被害申告できないことや迎合的メッセージを送ってしまうことがあるのは、よく知られるようになってきており、警察や裁判所も、必ずしも、それだけで、「同意があった」などと認定してしまうわけではありません。本件のように、事件直後に知人に相談していたり、直前の状況を知っている人が証言してくれるなど、不同意を立証できる場合も珍しくありませんので、諦めずに、弁護士や警察に相談してみることをお勧めします。