犯罪・刑事事件の解決事例
#医療過誤

手術中のミスにより、言語障害・記憶障害等の重篤な後遺障害が発生

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高橋 旦長 弁護士が解決
所属事務所弁護士法人ALG&Associates大阪法律事務所
所在地大阪府 大阪市中央区

この事例の依頼主

年齢・性別 非公開

相談前の状況

弁護士法人ALG&Associates東京法律事務所で取り扱った医療過誤事件です。相談者は、凍結していた路面で転倒し、後頭部にコブができました。特に重篤な症状が現れることはなかったのですが、病院先でCT検査を行ったところ、急性硬膜下血腫、脳挫傷等の疑いがある旨診断され、経過観察のため入院することになりました。入院後、頭部の血腫は縮小してきたため、退院することになりましたが、受傷後2か月経っても、血腫が消失せず、医師から慢性硬膜下血腫と診断され、穿頭血腫ドレナージ術を受けることになりました。しかし、同手術後、相談者に言語障害・記憶障害等の重篤な後遺障害が発生してしまいました。医師は、相談者の後遺障害について、合併症によるものであるから責任を負わない旨主張し、損害賠償等について協議できずにいたため、当事務所にご依頼いただくことになりました。

解決への流れ

本件は、慢性硬膜下血腫であり、本件では、穿頭血腫ドレナージ術が実施されました。この手術は、頭蓋骨に約1センチメートルの穴をあけ、その穴に、チューブを差し込み血腫を吸引するといった手術です。手術の難易度としてもそれほど難しいものではなく、研修医レベルでも実施可能なものとされています。相談者に発生した後遺障害は、チューブを挿入し処置をしている際、硬膜の下にあるくも膜や軟膜を貫通し、脳を傷つけてしまったとしか考えられず、協力医の意見も、手術中にミスがあったとしか考えられないとのことでした。協力医の意見を踏まえ、病院側と交渉したところ、病院側は過失については争うことなく、後遺障害の程度が中心の論点となり、金銭面での協議になり、解決金として2000万円で解決することになりました。

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高橋 旦長 弁護士からのコメント

本件は、相談者の話によれば、相談者に対し、合併症によるものであり責任はないとの説明をしていたとのことでしたので、病院側は過失・責任を否認し、全面対決になることも覚悟していました。医学的論争になった場合は、調査や鑑定など労力もさることながら、相談者に金銭的負担もかかり、さらに解決まで時間を要することが一般的です。本件は、協力医による聞き取りで、明確に医療過誤があると確信できたことや、それに基づき医学文献などの調査が十分にできたため、相手方に対し交渉をする前提として、相手方が損害賠償を支払わなければならないと覚悟するに足りる、具体的・説得的な内容証明郵便を作成し請求できたことにより、相手方病院とは過失について争うことなく協議ができました。交渉により、最終的には2000万円の賠償金を支払う旨の内容で合意に至りましたが、交渉で2000万円の損害賠償を獲得できたのは、高額の部類に入ると思います。それよりもなお、訴訟を行うことなく交渉により上記賠償金を獲得できたことは、相談者にとって、早期解決により金銭的・精神的な負担が軽減できたことが大きいと思います。また、本件は、早期に協力医が医療過誤であることを明確にしていただいたことからも、協力医に力を借り、調査をすることの重要性を再確認できた事案だと思います。