この事例の依頼主
60代 男性
相談前の状況
依頼人のAさんは、友人とお酒を飲んで、公共交通機関を利用して帰宅している途中、突然、痴漢の容疑をかけられ逮捕・勾留されてしまいました。Aさんは、痴漢に身に覚えはなかったのですが、警察からは、車内の防犯ビデオに映っている、目撃者もいるなどと言われて、自白を強要されていました。特に、Aさんは、初めての逮捕・勾留で精神的・肉体的に参っている状況であり、このままでは虚偽の自白をしてしまいかねないという状況でした。
解決への流れ
私は、依頼を受けてすぐ、Aさんの奥さんに連絡を取り、冤罪の現場となっている公共交通機関を利用させないという内容を含む身元引受書に署名押印してもらい、勾留に対する準抗告をしました。すると、同日中に、準抗告が認められ、Aさんは警察署から解放されて、自宅に帰ることができました。その後の取調べに対しては、私と打合せをして、しっかりと事実を主張し続けた結果、不起訴処分となりました。
身体拘束というのは本当につらいものであり、痴漢で想定される刑罰との比較で、虚偽の自白をしてしまう人は少なくないものと思われます。特に、高齢の方にとって、警察署での身体拘束は、精神的・肉体的に厳しいものです。今回、準抗告が認められ、早期に身体拘束が解除されたことで、Aさんは無罪の主張を続けることができました。早い段階で、弁護士に依頼をして、身体拘束を解除できたからこそ、不起訴処分という結果を得られたのだと思います。