この事例の依頼主
10代
相談前の状況
少年は、住居侵入・窃盗の罪で逮捕・勾留されてしまいました。また、少年には、逮捕されていない事件も含めて余罪がありました。当時、少年は、高校3年の三学期であり、鑑別所に入ると、出席日数が足りず、高校を卒業できない状況でした。
解決への流れ
私は、警察署の面会室で少年と話合い、発覚していない余罪も含めて、警察の捜査に協力することになりました。また、私は、早急に、余罪も含めた被害者と示談交渉を行い、示談を締結することができました。その結果、少年は、鑑別所送りを免れ、自宅に帰ることができました(在宅事件)。少年は、鑑別所送りを免れ、高校に通おうとしましたが、学年主任と担任の先生が少年の通学を拒絶し、執拗に自主退学を迫ってきました。私は、何度も、学校に足を運び、校長先生に裁判所が鑑別所送りにしなかった趣旨を説明し、しっかりと卒業できるように取り計らってほしいと交渉しました。その結果、高校は、自主退学の強要をやめ、少年は無事、高校を卒業することができました。また、少年の最終処分は、保護観察であり、少年院に行くことはありませんでした。
少年は、目が済んでおり、話してみるととても素直で、しっかり更生できると思わせてくれる子でした。示談が締結できたことも一つの要因ですが、話し合いをする中で、少年自身が非行に走った原因を理解できたことも、鑑別所送りを免れた要因になったように思えます。観護措置(鑑別所送り)を免れたにもかかわらず、高校から自主退学を迫られたのは想定外でした。高校としては、強制的に退学させるのは手続き上面倒なので、自主退学させたがっているようでした。しかし、家庭裁判所としても、少年を卒業させるために、観護措置を取らなかったという一面があるので、その旨をしっかりと説明し、粘り強く交渉した結果、自主退学を迫ることをやめ、学年末試験対策に協力してくれるなど、卒業をサポートしてくれることになりました。