犯罪・刑事事件の解決事例
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【酒気帯び運転・執行猶予中の犯行】執行猶予中のさらなる酒気帯び運転で執行猶予を獲得した事例

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鈴木 祥平 弁護士が解決
所属事務所みずがき綜合法律事務所
所在地東京都 新宿区

この事例の依頼主

40代 男性

相談前の状況

Aさんは以前に「酒気帯び運転」で、刑事事件として立件されたことがあり、「執行猶予付きの判決」を受けました。そのときのつけられた執行猶予期間は3年間でしたが、その期間中にまた酒気帯びで運転をしてし、警察に発覚してしまいました。今回については、Aさんは逮捕されずに在宅事件として処理されたのですが、Aさんとしては、執行猶予期間中にまた同じことをしてしまったことから、今度は起訴されたうえで実刑になるかもしれないと不安を感じ、当職のところに無料法律相談に来ました。

解決への流れ

当職は、Aさんが執行猶予中に同じの犯罪をまた犯してしまったことから,実刑の可能性は高い旨をまず説明しました。Aさんは、以前に裁判所で「二度としません」といったことを繰り返しているわけだから、また同じように「二度としません」といったところで裁判所は信用をしないだろいうということをお話ししました。裁判所に今度こそは「2度と「酒気帯び運転」をしない」といえるためには、酒気帯び運転ができないような環境を意図的に構築して,それを「社会内での更生が望ましい」との主張に結び付けて主張・立証することに成功しなければ、「実刑判決」を受ける可能性が極めて高いと釘を刺しておきました。Aさんから事情を聴取したところによると、Aさんは毎日のように仕事帰りに酒場に出向いていることから、アルコール依存症ではないかと思われました。Aさんは、職場に車で向かっていたことから、仕事の帰り道にどうしてもお酒を飲んでしまうのではないかと思いました(飲酒して運転することの常習犯だったわけです。)。そこで、当職としてはアルコール依存症についての治療機関を受診すること,アルコール依存症についての知識を深め、飲酒を断つことを誓約するようにAさんに求めました。Aさんとしても、今回の事件だけではなく、アルコールでたびたび問題を起こしていたことから,アルコールと縁を切りたいと考えておりました。そこで、Aさんは、当職の提案を受けて,アルコール依存の治療を始めることにしました。その間に警察による捜査は進みました。予想通りAさんは起訴されることになりました。当職としては、公判において、AさんがこれまでしてきたことAさんの自らの口で語らせ,何が悪かったのかを自覚させるようにしました。また、アルコールと縁を切ることを誓約させ、アルコールと縁を切るまでは職場への通勤も電車ですることを誓約させました(車は、処分をさせて車に乗れない環境づくりをしました。)。さらに、そのアルコールと縁を切ることについて、Aさんの家族も協力をしてくれているということをAさんの妻を情状証人として立てることで立証をすることに成功しました。そのうえで,執行猶予期間中の犯行ではありましたが、執行猶予期間が経過する3か月前の犯行であったことや,裁判のときには既に猶予期間は経過しており,今回執行猶予を付することに何ら差し支えないことも主張をしました。このような情状弁護の結果,Aさんは何とか執行猶予の判決を獲得できました。 執行猶予期間は5年間であり,また、保護観察処分もつきました。このことから、裁判官が最後まで悩んだギリギリの結論であることがわかりました。

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鈴木 祥平 弁護士からのコメント

被告人にとって、「実刑判決」を受けるのと「執行猶予判決」を受けるのとで雲泥の差があります。というのも、刑務所に入るか、社会内で更生するのかの線引きであるからです。本件のような微妙な事案はそう多くあるものではありませんが、微妙であればあるほど,【刑事弁護(情状弁護)の「セオリー」の有無】が結論の差になって表れます。 是非,お早めに弁護士に相談ください。