10068.jpg
震災5年、避難者17万人「従来の支援策ではこぼれ落ちてしまう人がいる」日弁連会長
2016年03月11日 10時11分

東日本大震災と福島第一原発事故の発生から丸5年をむかえた3月11日、日弁連は被災者支援の改善を求める村越進会長の声明を発表した。いまもなお、全国で避難生活を送る人々の数が17万人以上にのぼることを「極めて深刻な事態」と指摘し、さまざまな支援策の拡充を訴えた。

声明では、「時間の経過とともに、一人ひとりの被災者及び被害者の抱える問題がより複雑かつ深刻になっていること、これまでの支援策ではこぼれ落ちてしまう人々が存在する」と指摘。「一人ひとりの被害に対応したよりきめ細やかな支援が必要とされている」と課題を示した。

被災者の生活再建の支援について、現在は住宅被害を基礎に金銭給付を行う制度になっている。しかし、こうした支援では「生業やコミュニティを含む生活環境のダメージや心身の状態の悪化」が考慮されておらず、被災者それぞれの「過酷な状況」に対応できていないと指摘。被災者生活再建支援員などを配置し、個別の支援策を実行する仕組みに改めるべきだと訴えた。


このほか、原発事故被害者に対する賠償が不十分であることや、避難生活での体調悪化など間接的な原因で死亡する「震災関連死」が増えている問題にも言及。震災関連死については、徹底した実態調査が必要だとした。また、原発の再稼働が各地で進んでいることを「憂慮すべき事態」と指摘して、原発の速やかな廃止を求めている。

(弁護士ドットコムニュース)

東日本大震災と福島第一原発事故の発生から丸5年をむかえた3月11日、日弁連は被災者支援の改善を求める村越進会長の声明を発表した。いまもなお、全国で避難生活を送る人々の数が17万人以上にのぼることを「極めて深刻な事態」と指摘し、さまざまな支援策の拡充を訴えた。

声明では、「時間の経過とともに、一人ひとりの被災者及び被害者の抱える問題がより複雑かつ深刻になっていること、これまでの支援策ではこぼれ落ちてしまう人々が存在する」と指摘。「一人ひとりの被害に対応したよりきめ細やかな支援が必要とされている」と課題を示した。

被災者の生活再建の支援について、現在は住宅被害を基礎に金銭給付を行う制度になっている。しかし、こうした支援では「生業やコミュニティを含む生活環境のダメージや心身の状態の悪化」が考慮されておらず、被災者それぞれの「過酷な状況」に対応できていないと指摘。被災者生活再建支援員などを配置し、個別の支援策を実行する仕組みに改めるべきだと訴えた。


このほか、原発事故被害者に対する賠償が不十分であることや、避難生活での体調悪化など間接的な原因で死亡する「震災関連死」が増えている問題にも言及。震災関連死については、徹底した実態調査が必要だとした。また、原発の再稼働が各地で進んでいることを「憂慮すべき事態」と指摘して、原発の速やかな廃止を求めている。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る