中居正広さんと元社員の女性のトラブルをめぐり、フジテレビは港浩一元社長と大多亮元専務を相手取り、50億円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。
フジテレビが8月28日に公表したリリースによると、2人は人権侵害の可能性がある事案について報告を受けながら、適切な対応を怠り、その結果、広告収入の減少など約453億円の損害を会社に与えたと主張している。
その一部にあたるとはいえ、50億円という請求額はあまりに巨額だ。こうしたリスクに備えるため、多くの企業は役員を対象とした「役員賠償責任保険」に加入している。
フジテレビは弁護士ドットコムニュースの取材に、親会社のフジ・メディア・ホールディングス(FMH)が、FMHおよびフジテレビの取締役を被保険者とした役員賠償責任保険に加入していると明らかにした。
港氏と大多氏も元取締役として対象に含まれているという。
しかし、フジテレビはこのように答えた。
「会社からの責任追及については、保険の対象ではありません」
つまり、今回の訴訟で裁判所が2人に賠償を命じても、その支払いは保険でカバーされないことになる。
なお、2人が個人で役員損害賠償保険に加入しているかについて尋ねたが、フジテレビは「当社は関知しておりません」と答えた。
●フジテレビ企業広報部の回答全文
フジ・メディア・ホールディングスの有価証券報告書において開示されているとおり、当社の親会社であるフジ・メディア・ホールディングスにおいて、フジ・メディア・ホールディングス及び当社の取締役を被保険者とした役員等賠償責任保険を締結しております。
港浩一氏及び大多亮氏についても元取締役として被保険者ではありますが、会社からの責任追及については、保険の対象ではありません。港浩一氏と大多亮氏個人の会社役員損害賠償保険加入について、当社は関知しておりません。