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「なんで避けないの」歩道走るママチャリ、通行人と接触し激怒…悪いのはどっち?
2020年05月18日 10時18分

「歩道で避けるべきは自転車じゃないのか!」。電動ママチャリにぶつけられた挙句、いちゃもんをつけられたという相談が弁護士ドットコムに寄せられました。

相談者の男性が歩道を歩いていると、子どもを乗せた母親の運転する電動自転車が正面から走ってきました。道幅は歩行者がやっとすれ違えるほどの狭さ。自転車は歩道中央付近を歩く男性に構わずまっすぐ進み、男性の右ヒジと女性の右腕付近が接触しました。

女性は激高し、500メートルにわたって男性を追いかけてきて「おまえがわざと避けずにぶつかってきたんだ」と110番通報しました。

駆けつけた警察官らは、通報した女性の話を聞いたうえで、男性に「自転車を認知しているのに、避けないのは暴行罪にあたる」と伝えてきました。男性が「道路交通法上は自転車が停止すべきですよ」と自身の正当性を主張しても、聞き入れてもらえなかったそうです。

結局のところ、双方おとがめなしとして解散となりましたが、納得のいかない男性は今でも「歩道で避けるべきなのは自転車のほうだろ!」と考えています。

歩道ですれ違った歩行者と自転車、どちらに避ける義務があるのでしょう。警察官の言うように、避けない歩行者は暴行罪に問われる可能性があるのでしょうか。前島申長弁護士に聞きました。

「歩道で避けるべきは自転車じゃないのか!」。電動ママチャリにぶつけられた挙句、いちゃもんをつけられたという相談が弁護士ドットコムに寄せられました。

相談者の男性が歩道を歩いていると、子どもを乗せた母親の運転する電動自転車が正面から走ってきました。道幅は歩行者がやっとすれ違えるほどの狭さ。自転車は歩道中央付近を歩く男性に構わずまっすぐ進み、男性の右ヒジと女性の右腕付近が接触しました。

女性は激高し、500メートルにわたって男性を追いかけてきて「おまえがわざと避けずにぶつかってきたんだ」と110番通報しました。

駆けつけた警察官らは、通報した女性の話を聞いたうえで、男性に「自転車を認知しているのに、避けないのは暴行罪にあたる」と伝えてきました。男性が「道路交通法上は自転車が停止すべきですよ」と自身の正当性を主張しても、聞き入れてもらえなかったそうです。

結局のところ、双方おとがめなしとして解散となりましたが、納得のいかない男性は今でも「歩道で避けるべきなのは自転車のほうだろ!」と考えています。

歩道ですれ違った歩行者と自転車、どちらに避ける義務があるのでしょう。警察官の言うように、避けない歩行者は暴行罪に問われる可能性があるのでしょうか。前島申長弁護士に聞きました。

●歩道では自転車が止まるか避けるべき

ーー歩道で歩行者と自転車がすれ違って接触があった場合、どちらに回避義務があるのでしょうか

自転車は軽車両であり、車両の一種にあたります。また、道路交通法では、車体の大きさ及び構造が政令で定める基準に適合する自転車を普通自転車と定義しています(道交法63条の3)。

街中でよく見かける電動ママチャリは、一般的には普通自転車に該当すると考えられます。道交法によると、自転車は、歩道と車道の区別のある道路では、車道を通行する必要があります。

ただし、普通自転車に関しては、車道又は道路の状況に照らして当該自転車の通行の安全を確保するために当該自転車が歩道を通行することがやむを得ないと認められる場合には歩道の通行が可能となります(道路交通法63条の4、1項)。

もっとも、かかる場合においても自転車は、歩道の中央から車道寄りの部分を徐行しなければならず、また自転車の進行が歩行者の通行を妨げることになる場合は、一時停止しなければなりません(同条2項)。

本件におきましても女性としては、男性を認識したのであれば、歩道の車道寄りに自転車を移動させるかもしくは一時停止して男性の歩行者が通りすぎるのを待つべきだったと考えられます。

ーー前方から進行してくる自転車を認識したうえで回避せず接触した場合、歩行者の暴行罪は成立するのでしょうか

一方、自転車を避けようとしなかった男性に暴行罪が成立するかですが、男性としては女性が停止すると考えている以上、不法な有形力を行使する意図が認められませんので暴行罪の故意を欠き、暴行罪は成立しないと考えられます。

仮に男性が暴行罪に問われるとすれば、男性が、女性を転倒させるような強い害意をもって意図的に自転車に体当たりをしていったような極めて例外的なケースに限られると思われます。

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